二村ヒトシ×アルテイシア　Special対談　第3回

第3回　非恋愛時代にパートナーを見つけるカギは？ 話題沸騰！大人気作家二村ヒトシ氏とアルテイシア氏のスペシャル対談！

「女が生きづらいこの社会、今後どう変化していくのか？」をテーマに都内某焼肉屋で進化系フェミニズム大討論、第３回。

前回：第2回「非モテと、親の呪縛と、オタク男女」

第3回　非恋愛時代にパートナーを見つけるカギは？

アル：欧米の女性は「偉そうな肉食系ではなく、家事育児もする優しい草食系をパートナーに選ぶ」傾向になっているそうです。私の周りもそういうカップルや夫婦が幸せそうですが、全て「女から攻め落とした」パターンです。でも世の中的には「恋愛では男にリードしてほしい」と望む「受け」の女性が多い。
どうすれば女性が主導権を握れるようになるでしょう？

二村：リア充の女性ってさ、みんな自分の性癖を、よく知らないよね。
それは女性がAVやエロゲーを男性ほど見ないし、やらないからじゃないかな。男たちが築き上げてきた「俺はこれに勃起するんだ！」みたいな妄想や文化を、女性はずっと、そのまま受け入れるだけだったんで。

アル：女も妄想してオナニーすれば主導権を握れる？

二村：ひそかにエロゲーやってるオタクの女性はじつは多いけど、わりとみんな現実の自分とは関係ないと思ってるんだよね。まあロリ陵辱ゲームやってる男が現実に行動に移したらダメだけど。
自分の性癖や「自分は何に興奮するのか」を知ってるということが、人生において非常に重要だと思うんです。
自分は何に萌えるのか、どんな妄想でマスターベーションしちゃうのか、どんなセックスをしたいのか・・・、オタクの女性はそれを知ってるわけじゃないですか、すくなくともオタクでない女性よりは。

アル：妄想力は鍛え上げてますよね。

二村：ところが未だに、オタク文化は「非モテのための娯楽」と思われていて、腐女子はキモいとかさ、「腐女子は現実の男に相手されないから腐女子なんだろ」みたいなクソみたいな差別があるじゃないですか。
あ、でも、ぼくも正直に言うと腐女子のかたに対して抱いてる偏見があって……。「自分が、そこ（妄想世界の中）に存在してたらダメ」っていう女性が多いじゃないですか。男の子に感情移入して乗り移るんじゃなくて、男の子二人を遠景から見ていたい、っていう。あれって「女性の自己肯定感の無さと関係あるんじゃないのかな」って、つい思っちゃうんだけど、そう言うと腐女子の人に叱られるんですよね。

アル：まあ「わかりたがる、決めつけたがる男がウザい」が本音だと思いますが（笑）私とかそうじゃないですし。自己肯定感は強いけどＢＬ大好きです。女がいないとホッとくつろげるんですよ。

二村：それは、なぜなんですか？

アル：リゾートホテルにサンポール（トイレ用洗剤）とか置いてあったらイヤじゃないですか？
リゾートホテルは完全に非日常であってほしい。それと同じで、現実が混ざると純粋に楽しめないんですよ。
たとえば男女の恋愛モノだと「なんだこの女、男に媚びやがって」「この男、可愛けりゃいいのか」とかイラッとするし、男が女を凌辱するシーンでムカつくんです。「金玉蹴ったれや！」みたいな。フェミ目線が入っちゃうんですよね。
でも男同士のBLだと、可愛いだけのブリッコ男子が凌辱されていても純粋に楽しめる。


二村：なるほど……。