二村ヒトシ×アルテイシア Special対談 第2回
非モテと、親の呪縛と、オタク男女
話題沸騰!大人気作家二村ヒトシ氏とアルテイシア氏のスペシャル対談!
「女が生きづらいこの社会、今後どう変化していくのか?」をテーマに都内某焼肉屋で進化系フェミニズム大討論、第2回。
前回:第1回「男子が進化すると女子になる」説
第二回 非モテと、親の呪縛と、オタク男女
二村:アルさんが僕に聞いたのは「非モテ男子の『女なんか敵だ』ってメンタリティを、同じ男としてどう思いますか?」って質問だよね。
アル:はい。たとえば、性犯罪者には女を憎んでる人が多いじゃないですか?
二村:レイプとか痴漢とかは、あれ、性欲じゃ全然ないと思いますよ。
アル:性欲でやってるわけじゃなくて。
二村:憎しみとか、支配欲でしょうね。でもヤリチンにもそういう人がいる。ぼくの中にも、そういう部分はあるかもしれない。
アル:「女を無理やり屈服させて万能感を味わいたい」という歪んだ征服欲ですよね。
それをわかってないと「レイプさせないために風俗を活用させろ」みたいな間違った発想になる。それも「男の性欲は女が犠牲になっても満たされるべき」って考えからですが、本当に必要なのは「他人を力づくで無理やり屈服させようとしてはダメ」って教育ですよね。
二村:うーん。まずルールの教育は必要だけど、根本的に、女性に対する憎しみの感情がなかったら、そこ(性犯罪)まではいかないんじゃないかとも思うんだけど。
アル:そうですね。女を獲得できない苦しみ、女に相手されないがゆえの憎しみがなければ。
もちろん「非モテが性犯罪をする」という話ではなく「性犯罪の根っこに非モテをこじらせた憎しみが存在するケースもある」という話ですが。そこは誤解のないよう強調しておきますけども。
二村:モテてる男子の中にも女性嫌悪、女性蔑視の人はいます。
学校で「女を屈服させるのは楽しくないよ、そこには愛はないよ」って教育したとしても、やっぱり憎む人は憎むと思うし。
そもそも、
親との関係によって先に“異性への憎しみ”が形成されてて、非モテの男は憎んでるから女にモテない、悪質なヤリチンは憎んでるからこそ(自己肯定感が薄くて自罰的な女子に)モテる、という現象は起きてると思うな。
アル:たとえば、北欧では性教育の時間に「セックスの時、自分がしたくない行為を相手に求められたらどうするか?」とか男女でディベートするそうです。
二村:そういう教育は、日本の学校でも絶対した方がいいよね。
アル:夢のまた夢ですけどね。いまだに「おしべとめしべ」とか言っていて「18歳未満はセックスすべきじゃない」って国ですから。
二村:なんで日本は、そのへんが明らかに遅れているんですか?
アル:戦前の純潔教育に戻したいのが本音でしょうね。それはできないから「寝た子を起こすな」「臭いものには蓋をしろ」なんじゃないですか。
私が言いたいのは
「そういうディベートをすることで、男子が女子とコミュニケーションする機会を作れる」ってことなんです。女子と話す練習になるし、女子が何を考え何を望み何を嫌がるか学べる。つまりそこで大切な恋愛の基礎を学べる。
二村:それは本当にそうだね。女子と話したりする接点が全然なかったから、コミュニケーションできなくて非モテになる人も増える。
アル:根本的に、なぜそこまでコミュニケーションできないんだと思いますか?
■親の呪縛もいろいろ