二村ヒトシ×アルテイシア Special対談 第3回
第3回 非恋愛時代にパートナーを見つけるカギは?
二村:えーっ(笑)
アル:私ほんとチンチンは必要ないんですよ。
二村:ご主人は乳首は感じますか? いろいろ立ち入ったことを訊いて、申し訳ないですが。
アル:くすぐったがりますね。そもそも夫は性欲も薄くセックスに興味関心も低くて、そこがいいんですけど。
二村:そうか、そこがいいんだ。
アル:だって家の中で性的対象として見られたらウザいですよ、おちおち鼻クソもほじれないし。
でも二村さんの乳首論には大変共感しています。Cakesの雄っぱいの対談、毎回楽しく読んでました。
二村:どうもありがとう。このほど
オトコのカラダはキモチいい (ダ・ヴィンチBOOKS)として書籍化されました。!
アル:
「乳首で感じるかどうか」はセックス力のスカウターですよね。
二村:そうなんです。
アル:オッサンとか特に、乳首攻めると「えっ? なにしてんの? キョトン」みたいな人多いじゃないですか。
でも若い世代は…二村監督の作品によって教育されたんだと思いますが(笑)すごく喜ぶし感じるわけですよ。
そういう子は自分が女の立場、つまり「受け」になれるから、セックス力が高いですね。焦らしのテクも使えて、勢いまかせ・力まかせに攻めない。オラオラッ! ズバババッ!っていうバトル漫画的じゃないセックスをできますね。
二村:乳首やアナルが感じない男性は、チンコ以外の自分の体が性の対象にされる可能性を考えていない。
アル:そういう男はマンコしか攻めないし、挿入=本番と思っていて、セックス偏差値30ですね。
二村:男って本当にチンチンが好きなんですよ。チンチンと、チンチンの代替物である黒いクレジットカードとか高い腕時計とか車とか。あとミサイルを作って戦争したり、高いビルを建てたり。
アル:うちの夫は関節技の時に邪魔だから、チンチンをとってしまいたいそうです。まあオシッコを出すホースとしての役割があるから、とると不便ですよね。
二村:
「格闘技や戦争の本質は、相手が次に何をされたら一番イヤか、を推理して進めていくこと。セックスの本質はその逆で、相手が次に何をされたら嬉しいかを推理して進めていく」って意味のことが『バキ』に書いてあった。範馬勇次郎のセリフだったかな。すみません、ぼくの格闘技の知識は100パーセント『グラップラー刃牙』からなんだけど(笑)。
ボクシングみたいな打撃系は、どっちかというと男根的な格闘技だと思うんだけど。
組み技やレスリングは、相手と密着するし、体のどこをどうされたらイヤか、相手がいま何を感じてるかを感じながら戦うわけでしょ? 女性的な感性が必要な気がします。セックスに近いというか。
アル:打撃系はアドレナリンで闘うそうですが、関節技は冷静に頭を使わなきゃいけないそうです。一方的じゃない双方向のコミュニケーションで、アサーティブネスが求められるというか…たしかに大きな違いがありそうですね。
二村:なんで格闘技の話してるんだろう我々は…。
アル:そして気づけばまたメンの話に(笑)。現代を生きるウィーメンには何が必要ですかね?
二村:
僕は、やっぱりオナニーすること、自分の欲望を知ることだと思う。
アル:
私も「欲望」がカギだと思います。
恋愛もセックスも「女は受け身であるべき」って価値観がいまだにありますね。
私の『官能女子養成講座』では「イカされるんじゃなくイク、ヤられるんじゃなくヤる、女も主体的に楽しもう」と書いてますが、『プリンセス・バイブルシリーズ』という真逆の本がありまして。
二村:アメリカの本?
アル:日本の本です。“21世紀の女大学”みたいな内容で、女は三歩下がって男を立てて料理を作って尽くすべき、そんな女になれば男から愛される、みたいな。つまり「男の欲望に徹底的に応えろ」という本で、それがシリーズ何十万分も売れている。