二村ヒトシ×アルテイシア Special対談 第5回
アルテイシアの母の死、二村ヒトシの母親越え
二村:母自身になりかわりたいのかな…、気持ち悪いな。あ、女のほうが気持ちいいからじゃない? 体の全体で快感を感じられるから。
アル:セックスで?
二村:うん。
アル:セックスがメインですか? 女になりたいって理由。セックスで快感が大きいのが一番?
二村:う~ん…。
アル:私、それ男の人の幻想が入ってる気がして。
二村:そうかもって、いま俺も思った。男が頭の中で勝手に作った「すごく性感が豊かな女性」像だよね。
アル:そこまで気持ちいいか?って。
二村:ただ、女の人も自分をセックスで明け渡すというか…、「相手の男に」って意味ではなくて。
スピリチュアルぽくなりますけど、
神様みたいなものに対してエゴを明け渡していないと、すごい快感は感じられないのでは。
男ってね、とにかくセックスにおいて何も明け渡さないんですよ。最後まで冷静なの。射精だけだと思いこんでるからね。それは損だなぁと思いますよ。
アル:うん、そうですね。
二村:女の人が本気で気持ちよくなってるのは、男に屈服して気持ちよくなってるんじゃなくて、なんだろう、あれは「最高の大人のオカズは、宇宙とつながること」みたいな。
アル:刻(とき)が見える、みたいな。
二村:ビリーヴィング・サイン・オブ・ゼータですよ。あきらめはしないんですよ、もう目覚めたから(笑)。
うーん、でも、これも「男が女を菩薩化している」、神秘化して喜んでるだけかも知れませんね。
アル:「ララァ・スンは私の母になってくれるかもしれなかった女性だ」ですから。
(「刻(とき)が見える」…『機動戦士ガンダム』のララァ・スンのセリフ。
「ビリーヴィング・サイン・オブ・ゼータ」「あきらめはしない、もう目覚めたから」は『機動戦士Zガンダム』の主題歌の歌詞。
「ララァ・スンは私の母に~」…『逆襲のシャア』のシャア・アズナブルのセリフ)
二村:いずれアルさんとは今一度、徹底的に「富野、駿、庵野、セックス、恋、愛、母、父、フェミ、非モテ、女、男」について、議論を交えないといけないかもしれないですね…。そんな気がしてきた。
♥男性の女性化こそ“進化”であるという、なかば過激論から初まったお2人の対談。
そしてやはり男性は女性を“宇宙とつながる存在”として、どこかで神秘化しているものなのでしょうか…。
女性の皆様、男性の皆様はそれぞれどう感じられたでしょうか?
―次回はオマケ<二村ヒトシとアルテイシアの酔っ払いトーク>をお届けします(笑)
♥バックナンバー第1回 男子の女子化は、生存戦略?第2回 非モテと、親の呪縛と、オタク男女第3回 非恋愛時代にパートナーを見つけるカギは?第4回 21世紀の結婚と家族のカタチはこれだ!
<Profile>
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♥二村ヒトシさん
男女の“心の穴”にスポットを当て、恋愛のメカニズムを解明するベストセラー『なぜあなたは「愛してくれない人」を好きになるのか』他、『すべてはモテるためである』 、『淑女のはらわた』ジェーン・スーさん、川村エミコさん(たんぽぽ)、まんしゅうきつこさん、はあちゅうさん、犬山紙子さんらとの対談集 などの著作も。二村最新書籍『オトコのカラダはキモチいい』(金田淳子さん・岡田育さんとの共著)(KADOKAWAメディア・ファクトリー刊)
本職は2000年代以降の男子の性的嗜好バリエーションを築いたといっても過言ではないAV監督。慶應義塾幼稚舎出身、慶應義塾大学文学部中退後に、AV男優・監督の道へ。六本木にて医院を開業する女帝の風格を持つ母に育てられた。
ツイッター@nimurahitoshi
webサイト nimurahitoshi.net
♥最新書籍
金田淳子さん・岡田育さんとの共著。