二村ヒトシ×アルテイシア Special対談 第1回
大人気作家2人の新世代フェミニズム!?討論
アル:全体的にはゲイや女装子になる人はまだ一部だと思います。今後は増えていくと思いますが。
たとえば、若い男子と話してると「男友達と2人で温泉に行った」とか普通なんですよ。
二村:へー。
アル:そういうの聞いて腐女子はすごい萌えたりするらしいけど(笑)、本当に普通の友達同士で温泉に行くとか。
あと一緒にご飯食べてても「これカロリー高そう」「最近ぷよってきたからダイエットしなきゃ」とか、私よりも気にしてたり。そういう男子はお酌や取り分けを求めないから、フラットに楽しく付き合えますね。
ひと昔前は男同士で温泉どころか映画すら行きづらいムードがありましたよね。「あの2人、ゲイかしら?」みたいな目で見られたり。今はオシャレなレストランでも男同士で普通に行けるし。
二村:ぼくらの若い時代は
「男は、女の子とデートして一人前」みたいなことを言われてた。
アル:「友達と楽しく美味しいもの食べる」って昔から女子の楽しみですよね。それを男子ものびのびできるようになったのは良いことだなと。
会社員時代の上司をみていると会社の人間としかツルまないんですよ。あとは学生時代の部活のつながりとか。男性は大人になってから友達を作るのが苦手だなと感じました。女は横でフラットにつながるけど、男は縦、上下につながりやすいなと。
二村:おっさんっぽい男がツルんでゴルフしてるのは「キャッキャウフフ」じゃなくて、
男として生きていくための「ホモソーシャル(男性社会)」で暮らしてるってことですよね。ところが今の若い人たちはそうじゃなくて・・・。
アル:そうそう、利害のからまない純粋な友人関係。
二村:それが統計的にも増えてるんだとしたら、本当に良いことですね。
アル:先日カフェに行ったらカップルが一組もいなくて、女子会と男子会だらけでした。
日本はもともとカップル文化のない同性文化の国だけど、さらに非恋愛国家になっていく気がします。
二村:なっていくでしょう(笑)。ただカフェで男子会や女子会をしてる人たちの中でも、セックスしている人は、すごくしてますよね。
アル:そうですね。統計上は
「若者のセックス離れ」が数字として出ていますが。
恋愛やセックス以外に楽しいことがいっぱいあるし、周りもみんな恋人がいないから、寂しくないし焦らないのもあるでしょうね。
結婚しても家庭内別居とか熟年離婚とか、あげくに友達もいなくて孤独死とか、悲しすぎるじゃないですか。「だったら女の子みたいに生きたい」と男子が女子化するのはわかります。保守派のおじさんや政治家が何を言おうが、この変化は止まらないと思いますよ。
二村:世の中全体で自然に“男子の女性化”が進むよね。ぼくもそう思います。
■心は女子なのにヤリチン