二村ヒトシ×アルテイシア Special対談 第1回
大人気作家2人の新世代フェミニズム!?討論
アル:二村さんは自身の女子化を感じたりしますか?
二村:僕はもともと
「女子になりたくて憧れてるのに、やってることは男性的なヤリチン」なんですよ。
でも、じつはぼくみたいな男、結構いるんじゃないかと思うんですが。で、そういう男がわりと恋愛市場では得をしてるような気がするんだけど…、そんなことないですか?
アル:女性性が高いほど女と仲良くなれますからね。で、パクッといただくみたいな(笑)。
「競争が嫌い」とかはどうですか? 男社会はマウンティングの世界で、勝ち負けを競う男性が多いと感じますが。
二村:つい「おれのほうがえらい」みたいなマウンティングはぼくもしちゃうけど、ヨーイドンで競争するのはきらい。逆に不思議なんですよ、世の中の男って本当にそんなに競争が好きなのかな?
アル:ひと昔前の肉食エリートみたいな男性は、そういう人が多いと感じます。広告業界とかそんなヤツばっかでクソ面倒くさかったけど(笑)、でも最近の若い男性社員は「人は人、自分は自分」ってタイプが多いみたい。
二村:ぼくは、恋愛じゃなくて仕事とかだと自分がじつはすごく嫉妬ぶかいって気づくことは多くて、「あぁ、やっぱり俺も男だったんだ」みたいに思うんだけど…、でもさ、それって男に限ったことですか?
女の人だって恋愛じゃないところでの嫉妬、するでしょう? 「アイツに負けたくない」みたいな嫉妬、ふつうは男性的だとされている嫉妬を、女性もするじゃないですか。
アル:見栄の張り合いは男女を問わず、する人はしますね。ただ、女の方があからさまじゃないのかも。男は「同期が俺より出世した」とかわかりやすく妬む気が(笑)。あと年収や役職を比べあったり。
二村:「目に見えるような形で競争する」のが男だとしたら、たしかに最近は男も「目に見えた競争」は、しなくなっているのかもしれない。めんどくさみがありますよ。だから俺はそういうの、きらい。
アル:二村さんは「何人とセックスしたぜ、俺ってスゴイやろ、どや!」じゃなく、ただ単にセックスがしたいんですもんね(笑)
二村:
そう、ただ単に、したいと思った相手とセックスがしたい。
アル:素晴らしいですね。いや素晴らしいのかな?(笑)
でも「何人とやった」「CAや読モとやった」とか自慢する男が一番みっともないじゃないですか。「ポケモンカードゲットしたぜ、スゲーだろ!」って小学生じゃないんだから。
二村:女の人はさ、そういう自慢はしないよね。言う時は女同士で「あいつ意外とチンチンちっちゃかったぜ」とか言って笑っているんでしょ(笑)。ぼくは、笑われてるんだろうなと想像すると、せつなくて興奮します。