それでもダイエットする!?過剰な健康志向に潜む危険
「可愛い服を着たい!」「素敵に服を着こなしたい!」
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仕事の帰り道や休日のウインドーショッピング中、お気に入りのブランドのお店をのぞいたら、素敵なアイテムを着こなしたマネキンが……。いざ試着してみるといつものサイズがあわない……そんな経験はありませんか? 実は、15年前に比べて、マネキンのサイズは一回り以上小さくなっており、それにともなって、販売されている洋服のサイズも小さくなっているのです。
◆終戦直後の食料難の時期より低い摂取カロリー
「可愛い服を着たい!」「素敵に服を着こなしたい!」そう願って、頑張るのが、私たち女性という生き物。運動やヘルシーな食生活を意識して、日々ダイエットを頑張っている方もの多いのではないでしょうか? 食生活のダイエットといえば気になるのは摂取カロリー。最近では低カロリーで高栄養価、おまけに美味しい!という、優秀な食材も増えていますがカロリーを気にするあまり最低限必要なカロリーが摂取できていない女性が増えているそうです。
例えば【朝食】ヨーグルト、グラノーラ、ココナッツオイルをいれたミルク【昼食】サラダ【間食】チョコレート、コーヒー【夕食】ご飯、お味噌汁、惣菜1品、これだけ見るとしっかりと食べているように見えますが、低カロリー食品であったり食べている量などから計算すると、摂取カロリーはおよそ1600kcal未満だったという例も……。この数字、実は終戦直後の深刻な食糧難に陥っていた時よりも摂取カロリーが低いのです。総務省が1947年にまとめた栄養調査の資料によれば、1946年2月時点の平均摂取カロリーは1696kcal。つまり、現代女性は、深刻な食糧不足に陥っていた戦後の人々より摂取カロリーが少ないといえます。こうしたヘルシー志向で低カロリーな食生活を続けていると、将来、要介護になる可能性があることをご存知ですか?
◆「最近、疲れやすくなった……」は低カロリー状態のサイン
1,000~1,600kcal以下の食生活を続けると、筋肉量が低下してきます。さらに代謝を促す甲状腺ホルモンの分泌量が低下し、全身の代謝が落ちていきます。すると、体は疲れを感じやすくなり『食欲がわかない→活動量が下がる→さらに筋肉量が低下する』という、『負のスパイラル』に陥ってしまうのです。
◆遺伝する!? 低カロリー状態の母体と生活習慣病のリスク
筋肉量は加齢によっても低下していくので、低カロリー状態であれば、筋肉量の低下はさらに加速し、高齢期に達する頃には、ひとりで活動することがままならない、介護が必要な状況になっている可能性も……。さらに、こうした低カロリー状態の影響は、女性本人のみならず、生まれてくる赤ちゃんにも影響することが指摘されています。痩せて栄養状態が悪い母親から生まれてくる子どもは、出生時の体重が低くなる傾向があり、このような低体重児は、生まれながらにして、糖尿病や心筋梗塞といった生活習慣病のリスクを負うことになるそうです。
◆食べることにポジティブに!あなたの『スタイル』で輝く
年齢や身長・体重などによって異なりますが、生命を維持するのに最低限必要なカロリーのことを基礎代謝量と言います。よく勘違いされているのが、基礎代謝量と同等以下のカロリー摂取でダイエットをしようとすること。あくまで基礎代謝量とは、生命を維持するための最低限のカロリーなので、一般的な生活を送る女性は、この基礎代謝量を下回る摂取カロリーでは低カロリー状態に陥る可能性があります。(基礎代謝量をチェック→http://www.linkdediet.org/hn/modules/kisotaisya/ リンク挿入)
生活や年齢、身長・体重によって必要なカロリーは異なりますが、カロリーを制限した過度なダイエットとならないように、まずは最低限のカロリー摂取ができているか確認してみましょう。最近カロリー摂取を押さえていて、疲れを感じることが多くなったという人は一度病院などで必要最低限のカロリー摂取量などのアドバイスを受けてみるとよいでしょう。オシャレを楽しむことはもちろん女性にとってとても大事なことですが、明るく輝いた生活を手に入れるためにもカラダの健康を今一度見つめなおしてみましょう。
参考:NHKクローズアップ現代(2015年10月5日放送)
http://www.nhk.or.jp/gendai/kiroku/detail_3711.html