子供の約3割が「おねしょ」を心配! 夏のお泊りをより楽しむために病院で相談を
おねしょの相談は病院へ!おねしょを克服して夏のお泊り行事をより楽しく
フェリング・ファーマ株式会社では、5月30日の「世界夜尿症デー」を前に、「夏のお泊り行事」についての不安に関する調査
を実施しました。おねしょそのものへの不安や、夏に向けての悩みと対策の実態が明らかになりました。
「お泊り」を伴う行事で、おねしょが心配な子どもは約3割
小学校 1 年生~3 年生の子どもとその保護者 500 組を対象に、夏のお泊まり行事についての不安に関する調査を実施したところ、お泊り行事のおねしょに関して「とても心配」「心配」と回答した子どもの割合が 27.0%に上ることがわかりました。
また、他の項目と比較すると、子どもたちのおねしょに関する心配は、「ひとりで眠れるか」、「ホームシックにならないか」に次いで 3 番目に多いことから、その心配の度合いが比較的高いことが確認できました。
「子どもがおねしょを心配…」でも具体的な対策をしていないが6割以上!
「おねしょが心配」と回答した子どもの保護者のうち、お泊まり行事前のおねしょ対策について確認したところ、65.9%がおねしょ対策を実施していないという結果が分かりました。 お泊まり行事前におねしょ対策を実施したことのある保護者にその対策内容を確
認したところ、おねしょについて病院に行って相談する割合は、相対的に低いことが分かりました。
「夜尿症」は病院で相談・治療を!保険診療の対象です。
夜尿症は決して珍しいものではありません。日本の小中学生の罹病率は 6.4%と推察され、アレルギー疾患に次いで頻度の多い
慢性小児疾患です。小学校入学前後(5 歳)で約 15%、小学校 5~6 年生で約 5%存在すると言われています。
夜尿症は、病院に通院することでより早く克服できることが報告されています。また夜尿症の治療は保険診療の対象です。
今回の調査では、半数以上の保護者の方が「夜尿症は病院で相談・治療をできること」を知らないことが分かりました。
【調査概要】 おねしょに関する調査
・調査地域 全国
・調査対象 小学校 1 年生~3 年生の子どもとその保護者 500 組 1000 名
・調査期間 2017 年 4 月 22 日~28 日
・調査方法 インターネットアンケート
「おねしょ卒業プロジェクト」WEBサイトで気軽に検索!
「おねしょ卒業!プロジェクト」とは
「おねしょ卒業!プロジェクト」とは、フェリング・ファーマ株式会社が夜尿症という疾患啓発のために企画運営するプロジェクト
です。小児科や泌尿器科の専門家、医師が中心となる「おねしょ卒業!プロジェクト実行委員の先生方」監修のもと、おねしょ治療の情報提供 WEB サイト「おねしょドットコム」で正しい知識や対応方法について、発信しています。
おねしょドットコムはこちら!
http://onesho.com/
近くの医療施設を検索してみよう!
「おねしょ卒業!プロジェクト」WEB サイト内には、夜尿症に悩む患児とその保護者が夜尿症の診療を行っている医療施設を手軽に検索できるよう、医療施設検索ページを設けています。「どこのお医者さんに相談すればよいのかわからない」「できればかかりつけ医で診てもらいたい」という方でも、こちらから「おねしょの相談」ができる近隣の医療施設を調べ、気軽に相談することができます。
「おねしょ卒業!プロジェクト」医療施設検索ページはこちら!
http://onesho.com/patient/clinic/
夜尿症とその治療方法について
「夜尿症」とは? 5 歳を過ぎてのおねしょは病気かもしれません
生まれて 2 歳ごろまでの子どもは毎晩おねしょをしますが、その頻度は年齢とともに減っていきます。
「おねしょ」と「夜尿症」の違いは年齢がポイントです。
乳幼児期の夜尿を「おねしょ」といいますが、5~6 歳(小学校入学前後)以降は一般的に「夜尿症」と呼びます。ときどきおねしょをしてしまう程度のお子さまの比率は 5 歳で約 15%、小学校低学年で約10%と減少しますが、小学校高学年でも約 5%にみられます。ごくまれに成人まで続くケースもあります。*1 有病率は世界で非常に似通っており*2、夜尿症はアレルギー疾患に次いで、2 番目に多い慢性小児疾患です。*2
*1 河内明宏ほか:夜尿症研究に関する用語について. 夜尿症研究 6:19-22, 2001
*2 Hjälmås K, Barnklinikerna, Ostra sjukhuset, Göteborg, Nordisk Medicin [1998, 113(1):13-5, 15]
http://europepmc.org/abstract/med/9465701
夜尿症はなぜ起こるのか?その治療方法
夜尿症のメカニズム
<原因>
(1) 夜間多尿:夜間の抗利尿ホルモンの分泌が不十分なため、就寝中に尿の生成が増加し夜間多尿となり、尿量が夜間の機能的膀胱容量を超えてしまうことにより夜尿が生じる。夜尿症の中で、これが最多の原因と考えられています。
(2) 就寝中の膀胱容量低下:就寝中は日中覚醒時に比較して膀胱容量が約1.5 倍~2 倍程度に増大することが知られているが、覚醒時と比べて膀胱容量が増大しないことや、反対に縮小することにより、就寝中に産生される尿を膀胱内に貯めておくことができずに夜尿が生じます。
上記のいずれか、または両方が組み合わさり、さらに尿意による覚醒ができない場合に夜尿症となります。
夜尿症は治る!治療の方法と結果
夜尿症は生活改善、薬物療法、アラーム療法などの治療を行うことで、自然経過よりも約3倍治癒率を高めることができます。
小学校低学年で生活改善などから夜尿症初期診療を開始することで、宿泊行事の増える小学校高学年までに夜尿を卒業させることも可能となります。
<治療方法>
夜尿症の治療には大きく分けて薬物治療と薬物を用いないアラーム療法がある。
しかし、これらの治療を行う前の生活改善の取り組みが何よりも重要である。夜間の飲水制限や規則正しい生活リズムが確立されていないと、薬物療法による副作用も誘発しかねないので、患児と保護者に繰り返し指導し、遵守させることが必要である。
(1) 生活改善指導
①規則正しい生活をする、②水分/塩分の摂り方に気をつける、③寝る前に必ずトイレに行かせる、といった生活改善の取り組みを行うことで、1~2 割程度の子どもの夜尿が消失することを経験する。
(2) 薬物治療:抗利尿ホルモン製剤
日本の夜尿症診療ガイドライン 2016 では、生活指導で効果不十分な場合の第一選択治療として、デスモプレシン
(Desmopressin:DDAVP)もしくは夜尿アラームを使用することを推奨している。また、ICCS(国際小児尿禁制学会)のガイドラインでは、どちらを選択するかは、患児や保護者の希望に沿ったものでよいとされているが、排尿日誌により夜間多尿があると確認された場合は DDAVP が選択される。
(3) アラーム療法:夜尿アラーム
夜間就寝中の水分を感知して警報が鳴る装置であり、1930 年代より使用報告例がある。夜尿アラームに接続されているセンサーをパンツが濡れそうな部分に取り付けることで、センサーが濡れるとアラームが鳴り、バイブレーションが生じるように設計されているものがある。
出典:日本夜尿症診療ガイドライン 2016、 Neveus T, et al. J Urol 183(2) Page:441-447 (2010)
5/30 は世界夜尿症(おねしょ)デー!
毎年5 月 30 日は国際小児禁制学会(ICCS)と欧州小児泌尿器科学会(ESPU)が定めた「世界夜尿症(おねしょ)デー」(World Bedwetting Day)です。夜尿症は治療ができる疾患であること、夜尿症に悩む子どもたちのために医師に相談するなど、できることがあることを認識してもうらために制定され、一般の方や医療従事者の夜尿症に対する関心を高めるための取り組みを、世界各地の関連学会や団体が呼びかけています。
夏の「お泊り行事」に向けて「おねしょ卒業対策」を!
いかがでしたか?夜尿症は克服できる「病気」です。ぜひ、病院で正しい対策、治療を行って下さい。
「おねしょ(夜尿症)」は世界中の子供たちが悩んでいることですので、決して恥ずかしいことではありませんが、保護者が適切に医療機関に相談正しい知識を身に着け対策をすることで早期に克服することができます。
そして、おねしょの克服は子ども達の自信にもつながります。お泊り行事でおねしょの心配がなくなれば、いつも以上にはつらつとして元気な子供たちの姿が見られますよ!