今年も大流行の兆しが!「プール熱」にかかったら?予防法は?
子どもがかかりやすい夏の感染症「プール熱」について
小学校、幼稚園などのお子さんがいる保護者の方はそろそろ「プール開始の案内」が届くころですね。子供たちが大好きなプール!でも、風邪や体調管理など、保護者の方にとっては心配事も。今回は、今年も猛威の兆しが見えている「プール熱」について特徴的な症状や、かかった時の注意点をご説明していきます。
「プール熱」って?

出典:写真AC
通称プール熱は正式には「咽頭結膜熱」といいます。アデノウィルスによって引き起こされる感染症で、プールの水を介して感染することもあるためプール熱と呼ばれています。潜伏期間2日から14を経て、のどの痛み、発熱、目の充血(結膜炎)が主な症状として現れます。幼児から小学生の子供がかかりやすく、かかると39度ほどの高熱が出ることもあるため、子どもたちはとてもつらそう、そばで看護していてもとてもかわいそうになってきます。
症状は5日から1週間程度で回復しますが、中には肺炎になるケースもあるので注意が必要ですよ!
2017年は過去10年で最高の流行、2018年警報を発令した県も!
昨年(2017年)6月には国立感染症研究所が、プール熱の流行が過去最高であることを発表しています。この時の発表では6月から患者が増加し、7~8月に流行のピークを迎える例年の傾向よりも早く5月に感染者が増加し、原因も分かっていないとのことでした。
2018年もすでに流行が始まっている地域があります。広島県では5月31日に感染者が国立環境研究所の警報開始基準値を超えたとして警報を発令しました。富山県でも全国の過去 5 年平均と比べると患者報告数が多いとし、注意を促しています。
プール熱にかかったら?
プール熱かな?と思ったら早めに病院に行きます。現在では簡易検査で10分ほどで検査結果がわかります。プール熱と診断された場合、プール熱は対症療法がメインになります。解熱剤やのどの痛みをとる薬が処方されることが多いようです。
プール熱は出席停止!
プール熱は文部科学省が指定する学校感染症の1つです。インフルエンザと同様に、発熱やその他の諸症状がなくなった翌日から2日を経過するまでは、出席停止と決められています。投稿を再開しても病後一週間くらいはプールには入らないようにします。現在学校プールは塩素消毒をきちんとするので、プールの水を介して感染することはないとされていますが、感染者が使ったタオルをほかの子供たちが使い接触感染したり、くしゃみなどを介した飛沫感染を防ぐためにも、ちょっと我慢してもらいましょう。
予防は石鹸で手洗いが有効!

出典:写真AC
プール熱の予防には、
○患者との接触を避ける。
○マスクの着用、うがい手洗いの励行
○タオルの共用を避け、ドアノブなど人の手が触れるものを積極的に消毒
です。この消毒はアルコールでは効果がなく、次亜塩素酸(塩素系漂白剤)を薄めた液を浸した布でこまめに掃除するようにします。手洗いは、石鹸でしっかり泡立てて洗ってくださいね!プール熱の原因ウィルスは、付着した場所で10日以上生き続けます。潜伏期間も長いので、気が付かない間にウィルスがついていることもあるのです。
プール熱にかかると、高熱や目の充血、のどの痛みで本人はとてもつらい思いをします。また、そばで看病する保護者も、わが子のしんどそうな姿を見るのはつらいですよね。また、学校感染症のため、欠席期間が長く仕事を休まなければならないのもつらいところ。有効な予防策で感染を防いでください。