オンナって忙しい!家事労働をテクノロジー社会史から読み解く
どうして女は忙しいの?歴史から学ぼう!
男女雇用機会均等法は1985年、1995年には育休、介護休暇に関する法律が改正、1999年に男女共同参画社会基本法が成立。
男と女は平等になったといわれる。いまだ収入格差も埋まらない。仕事、家事労働の意識の差も埋まらない。
ヤフーニュース「
夫婦、家事分担で批難の応酬」でも家事労働について男女の意識差が未だ埋まっていないことをとりあげていた。
今回は社会史を通して家事労働について考えてみます。
「お母さんは忙しくなるばかり―家事労働とテクノロジーの社会史」という書籍ではアメリカの家事労働の歴史の変遷を解説しています。
筆者はアメリカ人、もとは化学の研究なさっていましたが現在は化学技術社会史
内容は産業革命あたりから現在まで産業化が進むことによって家事労働がどう変化したかの解説です。
産業革命前の「家事」事情

家事労働(ものすごく広く衣食住をとらえたとき)は元は家族全員でも足りないくらいだった。集落はなれて一人で生きるのは即、生命の危機だったんですよ!
作物の収穫、麦の脱穀、水を川殻運搬する、火を起こす、調理する・・・前者4つは男性が担当(女性は補佐)。調理は女性が担当していました。
人間が機械なしでやるのだから男女とも相当きつかったのは想像できますね。
産業革命とインフラ整備がもたらした影響
産業化インフラ整備が進むと小麦は製粉業まで確立、水道、ガスが各家庭に普及します。つまり対価が必要になり男性は家事労働から解放される→対価の支払いのために社会に出て労働する。これが一次的に起きた事です。
調理もガスが普及すれば楽だろう…と考えがち(私もそう考えていた)が、自宅で製粉した小麦粉は製粉しきれず今あるような白い綺麗なパンは焼けないので、発酵時間の短い調理の簡単なパンしか作れなかったし、みんなそれを食べていたので刺して不満もなかったのです。
でも、条件が向上することで白いパンが食べられるようになったため、こねる手間、発酵の手間をかけておいしいパンをオンナ達は作るようになりました。
出典:pixabay
また大昔、服はウール、屠殺した動物の皮を使用していたので洗濯できませんでした。
産業革命後は綿の農業、布の製造業確立し、それまで不要であった下着の洗濯(もちろん今よりは頻度はずっと低い)が発生!
綿繊維製品によって清潔、快適な暮らしを入手できた代わりにオンナ達はほぼ毎日川で洗濯をしなければならなくなった・・・
快適さの希求がもたらしたもの
こと家事労働というものは、機械化によって多少手間が省けたときに「楽になった」と休むよりも質の向上にエネルギーが向けられるようだ・・・
質の向上の部分は「本来女の仕事」という社会通念というよりもっと根本的な「ヒト」の種としての性による労働のとらえ方が優先され女性のみが負担する傾向にある。
男女ともその流れを自然に受け入れる様なのでオンナの労働はいつまでたっても軽減されない!!
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現代女性の家事事情
現在の家事労働は衣食住はもとより病人の看護、子供の送迎(安全確保)、そのための情報収集を含めほぼ女性が担っています。
労働時間に換算するとアメリカ人専業主婦で50時間、ワーキングマザーで40時間と10時間ほどしか違いが出ていない。というデータが出ています。
本の内容はもっと濃いのだけど長くなるのでこの辺で♡
日本の社会構造を考えるとおそらくアメリカの平均的な家庭よりも沢山家事労働をしているのではないかなーと思っています。
今もって家父長制の名残を感じます。
ごくまれに、家事の好きな男性がいたとしても、それは圧倒的少数でそのパートナーをゲットできた女性はラッキーであるとしか言いようがありません。
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また、男性が家事労働を担うとき結構「いいとこ取り」をされている気がするのです。
洗濯機のスイッチ押したらそのほかのプロセス、仕分け、干す、取り入れてたたんで片付けのどれか(全部)をやらなくても「洗濯手伝った。」となるし
子供の世話を任せると部屋がどんなに散らかっても文句を言えない雰囲気がある。
お留守番の時はプレートランチを作って出かけるが夕方帰るとからのお皿はテーブルの上、流しに置いてあるのを見たら思わず「ありがとう」なぞいうワタシ、自分が情けない。
「なにもしないよりマシ」なのかも知れないけどなんだか割り切れないのよね・・・
この本、男性に読んでほしいのだけどね。
でも、読んだところで「だからなに?」って、やっぱり意識の差は埋まらないかも。
「ちくしょう!オトコどもめ!!」って愚痴りながら今日もお皿を洗うのがせいぜいできる事なのかもね