イモリの黒焼きで惚れ薬をつくれるか?(絶対ダメみたい…)
惚れ薬を作ることってできるのかな?
惚れ薬、あったらいいなーと思いません?
それ飲ませたら相手はあなたにメロメロになるの…いいね♡
惚れ薬の材料といえばいろんな薬草になぜか出てくるイモリの黒焼き。さてその効果とは!
イモリとはどんな生き物?
出典:wikipedia
イモリの黒焼きの原料はアカハライモリ。日本では北海道や離島以外に広く分布されていた生き物です。
おなかが赤くきれいな田んぼや川、あまり流れのないところを好んで住んでいました。
「井戸を守る」生き物で「いどもり」→「いもり」と呼ばれるようになりました。
両生類ですのでカエルと同じ仲間、よくヤモリと間違われますがヤモリは爬虫類、夏の夜に壁をちょろちょろするやつ、イモリは水中で生活するので形が似ていても全く違う生き物ですよ!
フェロモン「ソデフリン」
出典:satonaka-machiko.com
このアカハライモリはオスの求愛行動も面白いのですがオスはメスにあるフェロモンを出してアピールします。
フェロモンの名前「ソデフリン」は万葉集に乗っている額田王の和歌から来たもの。
「あかねさす紫野行き標野行き野守は見ずや君が袖振る」
現代語訳
今は天智天皇と付き合っているけれど、大海人皇子も私も、実はまだお互いに気があって、彼は袖を振って好きだと伝えてくるわ。そんなあちこちで袖を振っていたら、警備の人がこれをみて、私たちの秘めた恋がばれてしまうじゃないの。
出典:manapedia
という何ともおおらかな(?)不倫の歌だったりします。
イモリのオスは必死に尻尾を振ってフェロモンを雌イモリに送り込むのでこの姿が袖を振っているように見えるというのが名前の由来。ナイスネーミングです!
イモリ用のフェロモンなので人間には効かない
出典:pixabay
ソデフリンはイモリには効いても人間には効かないわけですよ。
じゃあなんで惚れ薬になるかって話ですが、ちょい怖いよ…
テトロドトキシンも持ってる
アカハライモリは毒素を持っています。
おなかの赤は警戒色と呼ばれ、毒をもつ生き物がほかの生き物に発する警告のためというのが定説です。
テトロドトキシンはフグが持っている猛毒で1-2mgの摂取で人を死に至らしめます。年に数人はフグ毒で中毒を起こす事故が起きますよね。
テトロドトキシンの症状
このテトロドトキシンの効果が惚れ薬の薬効だといわれるゆえんは、以下の症状が出るからです。
・動悸(ドキドキする)
・めまい(くらっとする)
・しびれ(指先震える)
・歩行困難(足元ふらふら)
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この初期症状を超えるとあっという間に呼吸困難など重篤な症状を引き起こします。熱分解はされない物質です。加熱調理でも毒素が減らないためフグ中毒の事故は防げないのですね。
イモリは小さいし持っている毒の量もごく微量のためこの絶妙なドキドキ感覚をひこ起こす。
そしてそのドキドキをもって「この子のことが好きかも!!」と恋煩いとの勘違いを相手にさせる!
ということで惚れ薬の材料にされたようなのだが…一歩間違えたら、好きな人殺しちゃうことになるのよ!!
薬に頼るのはやめて、好きな人にはあなたの魅力で♡落としちゃってくださいね♡