iPS細胞はどこがすごいの？ＥＳ細胞との違い

iPS細胞とＥＳ細胞は何が違うの？ ＳＴＡＰ細胞はどうやらないということのようですが、ノーベル賞を受賞した中山教授のiPS細胞はそれまでの万能細胞「ＥＳ細胞」よりもどこがすごいのでしょう？

万能細胞って何が万能なんだろう？

ＥＳ細胞もiPS細胞も万能細胞と呼ばれます。
万能細胞は体のどの組織にも臓器にも分化することができることから再生医療分野で「万能」と呼ばれました。

ＥＳ細胞は「embryonic stem cells」の略で日本語では「胚性幹細胞」と呼ばれます。
iPS細胞は「induced pluripotent stem cell」の略、日本語では「人工多能性幹細胞」と呼ばれます。

ＥＳ細胞は受精卵から作られる

ＥＳ細胞の最大の問題点はヒトの受精卵から作られることでした。
受精した瞬間が生命の始まりだとすると誕生する可能性のあるものを操作したり実験に使うことは、やはり命を奪う行為と倫理上問題ありとされてきました。

iPS細胞は問題がないのか？

iPS細胞は自分の皮膚や髪の毛からでも作成が可能とされています。自分の細胞から作るので拒絶反応も少ないとされています。
一部がガン化してしまう可能性もあるようですが、倫理面でいうとiPS細胞から精子や卵子を作ることも可能なのだそうです。iPS細胞からできた精子、卵子の扱いをどうするのかは新たな倫理基準が必要という意見が出ています。

iPSの”i”はiPodの”i”

iPS細胞は略語ですので本来大文字でIPSでいいはずなのですがなぜか小文字です。
これは山中教授の命名のこだわりにあります。iPS細胞を最初に作成した当時大ブームになっていたのがiPodでこの商品のように一般的に普及してほしい！との思いが込められているそうですよ！


生命倫理については技術の発達に追いついていない感じが否めませんが大切な家族が病気になれば、どうしても助けたい。どうしても家族がほしい、そういう人の気持ちはとてもよく分かります。難しい問題ですが考えて行かないといけないのでしょうね。