40件の殺人でおなじDNA検出?!世紀の連続殺人ハイルブロンの怪人の正体は??
ヨーロッパで40人の連続殺人が発生!DNA捜査で浮かび上がった犯人は誰だ??
近年刑事事件の捜査にDNA鑑定が重要な証拠の一つになっていますね。
昔は指紋や血液型だけだったのに、このDNAの鑑定で犯人の特定、事件の早期解決につながっているのは確かです。
でも、DNAサンプルの真偽や証拠品のずさん管理もあります。
DNA艦艇が
絶対ではない!ということが分かった最初の騒動がこの事件です。
ハイルブロンの怪人とは?
2007年警官殺しの事件発生!
2007年の5月、ドイツのハイルブロン市で警官殺傷事件が起こりました。通行人が道端に停まっていたパトカーの中で、警官2人が頭を撃たれて倒れているのを発見しました。22歳の女性警官は死亡、同乗の男性警官も一命は取り留め真下が拳銃も奪われており
、ドイツの片田舎の町はパニックに陥ります。
地元警察は早速捜査を開始、最新の操作技術であるDNA鑑定も行われました。
その結果、検出されたDNAはドイツ各地で起こった凶悪事件の際に残されたDNA型と一致したのです。
さらに捜査を進めると1993年からフランス、オーストリアなどヨーロッパ各地で起きた、40件の殺人、強盗、薬物取引の現場から検出されたDNAと完全に一致!過去に例のない長期にわたる連続凶悪強盗殺人事件としてドイツだけに及ばず、ヨーロッパ全土で捜査を展開しました。
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懸賞金は30万ユーロ
捜査範囲を広げて多岐にわたった捜査を行っても足取りもつかめずにいたドイツ警察は2009年1月には30万ユーロ(約4000万円)の懸賞金をかけ国際指名手配をし情報提供を呼びかけました。
「ハイルブロンの怪人」犯人は女?
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捜査上のDNA鑑定からわかったことは犯人は女性の可能性が高いこと、ミトコンドリアDNAの分析によって東欧やロシアなどの出身者の可能性が高いこととされましたが、それ以上は全くの不明、「ハイルブロンの怪人」または「顔のない女」とあだ名がつけられました。
犯人は若い男性だった!
様々な憶測を呼んだこのハイルブロンの警官殺しの犯人は2011年銀行強盗を起こし、警察に追われる中で焼身自殺をした男性二人組であったことが分かります。二人の乗っていた車に奪われた拳銃が残っていたからです。
DNA捜査に欠陥が
なぜこんなことが起きたかというとDNA操作に落ち度があったからです。
厳密にいうとDNA試料を集める綿棒に綿棒工場で働く女性のDNAが混入していました。
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ハイルブロンの怪人につながる捜査上で使われた綿棒はすべて同じ工場から出荷されたものでした。この工場で雇われた東欧出身の女性が、綿棒を包装する工程で素手で作業をしたためにこの女性のDNAが付着した綿棒が流通してしまったのです。
DNAは増幅して判定する
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現場で集められたDNA試料はそれだけでは型を判定するのに少なすぎるためPCR法という方法で増幅していきます。
めん棒に含まれていた工場女性のDNAを間違って増幅したために別の場所で発生した事件がすべて同じDNA型の犯人と間違われたのです。
この事件後、コンタミネーションと言われる試料汚染(間違って違う物質やDNA、実験試料が混じってしまうこと)の問題は解消されました。
また、地道な証拠集めよりもDNA型が判明すれば犯人に直結するという操作方法も見直されるようになりました。
日本でもDNA捜査で一度は逮捕になったものの、その後の再鑑定で冤罪であったことが証明された事件もあります。
DNAを使った捜査が有効な手段の一つであるのは確かですが、それ故に盲目的に結果を信じてしまうようなことがあってはいけないんですね。