台風から命を守る「特別警報」と「避難情報」を正しく理解しよう!
特別警報って?避難指示って?どんな時に発表されるかを正しく理解して命を守る行動を!
2018年は台風が例年のコースをたどらないケースが多いようです。コースが違うことで、これまでの予測とは違った被害も報道されています。今回は、これからが本番の台風シーズンを前に、気象庁が発表する「特別警報」と自治体が発表する「避難情報」について説明します。
気象庁が発表する特別警報とは?
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特別警報は、これまでにない危険が迫っていることを知らせるため気象庁が発表します。特別警報の基準は、数十年に一度の災害が予想された場合です。
特別警報が創設されたのは2013年8月なんですよ。これは、2011年東日本大震災による津波や2011年の台風12号が発生した際、通常の警報では自治体や住民に十分な避難行動につながらなかったことを教訓として、新たに設けられました。
特別警報の基準
気象現象によって特別警報が発表される基準は違います。台風シーズンに発表される可能性がある特別警報は「大雨」「暴風」「高潮」「波浪」です。いずれも「数十年に一度の強度の台風や同程度の温帯低気圧により」それぞれの現象が予想される場合に発表されます。また、台風と直接関係はありませんが3メートルを超える津波が予想される場合にも津波の特別警報が発表されます。
特別警報が発表されたら?
特別警報は、尋常でない大雨や津波等が予想され、重大な災害が起こる可能性が非常に高まった時に発表されるため、ただちに身を守るための行動をとる必要があります。
市町村からの避難勧告等に従い直ちに避難所に避難をするか、外出が危険なときは、家の中で少しでも安全な場所に移動します。家の中での避難とは、大雨の場合、浸水に備え2階に避難(垂直避難)したり、がけから離れた場所へ移動することを指します。
自治体が発表する避難情報とは?
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避難情報は災害対策基本法や国の指針に基づき、市町村長が発表します。災害が発生するおそれが高い地域の住民に対して、避難を呼びかけるもので、緊急性によって3種類に分けられます。
避難情報の種類
避難情報の種類は「避難準備・高齢者等避難開始」「避難勧告」「避難指示(緊急)」に分けられます。
「避難準備・高齢者等避難開始」では高齢者・乳幼児など避難に時間のかかる人達とその保護者、支援者を対象に、避難所や安全な場所に避難するように呼び掛けるものです。
「避難勧告」が出た場合は、速やかに避難所への避難を必要としますが、外出することでかえって命に危険が及ぶ場合、近くの安全な場所、自宅内のより安全な場所に避難をするようにします。
「避難指示(緊急)」は、避難勧告までにまだ避難していない人に対してすぐに避難を呼びかけています。避難指示の場合も、外出が難しい場合は自宅内の安全な場所へ避難します。
「特別警報・避難情報がない=安全」ではない!
「特別警報が発表されない」「避難情報が出ていない」は「災害が発生しない」ではありません。
気象庁がこれまでに発表していた注意報、警報、その他の気象情報を確認し、川の場所や海抜、山やがけの場所など自分が住んでいる地域の特性と照らし合わせて、危険度を自分で認識する必要性があります。また、においや音が災害発生の前触れとなることもあります。情報と自分の五感をフルに活用して命を守る行動を早めにとるようにしましょう。