新型コロナウイルスによる死者が日本そして世界で日々増加しています。また、高齢者や基礎疾患がある人は、新型コロナウイルスによって、重症化するリスクが高いともいわれています。中でも「高血圧」には特に注意が必要であることをご存知ですか?感染を防ぐために外出自粛「STAY HOME」が続けられていますが、医師の間では 自宅にいることによる二次健康被害を指摘する声もあります。
今回は、外出自粛で日々ストレスを感じている皆さんに、改めて新型コロナウィルスと基礎疾患の重症化リスクの関係性やお医者様がおすすめする、ストレス軽減にもつながるコンビニでのお買い物の仕方や、生活習慣についてご紹介します。
世界的権威のある医学論文雑誌「ランセット」「ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン」に発表された中国からの論文でも「最大3倍の重症化リスクがあった」とされています。感染者数が多い、中国(武漢市)、イタリア、アメリカ(ニューヨーク州)でも、致死率の最も高い基礎疾患の一つとして高血圧が報道されています。
イタリア国立衛生研究所の3月17日の発表によると、感染による死者のうち、3つ以上の疾患を抱えていた人は48.5%。全く疾患がなかった人は0・8%にとどまったと報道されています。死者の76%は高血圧で、36%は糖尿病にかかっていました。高血圧が最も目立ち、心臓疾患や糖尿病がそれに続いています。
TwitterやInstagramを見ると、芸能人やスポーツ選手が、自宅で過ごす様子や、簡単にできるトレーニングを公開しています。楽しい動画で気分発散できるのはいいのですが、それも見慣れてくると、やはり外出できないストレスの方が勝ってきます。
一般ユーザーも前向きに取り組むために、健康に良いレシピや健康チャレンジを紹介している一方で、イエナカ時間が増えたことのストレス、コロナ鬱、コロナ不安から生じる鬱症状や、不眠、孤独を訴えたり、コロナ離婚の危機などを訴える投稿が増えてきているのです。
運動不足が血圧や生活習慣病のリスクを高めることは周知の事実。
テレワークや外出の自粛により、通常の生活に比べ、格段に1日の運動量が減ります。また、家にいることで感触が増え、一日の食べ物の摂取量が増えたり、家にあるもので食事を簡単に済ませようした結果、栄養に偏りが生じやすくなります。そのような、運動不足と栄養の偏りで基礎疾患のリスクが高まってしまうのです。
このような健康被害は中高年だけでなく、学校に通うお子さん世代も同様です。外で遊べなくなり運動量が減る、そしてバランスのとれた給食がなくなり自宅で焼きそばやラーメンなど炭水化物が多くなる……などという状況は、肥満へのリスクが高まりやすい状況におちいります。このような生活の継続は以降の基礎疾患のリスクを高める。それが新型コロナウイルスにおける二次健康被害です。
また、高血圧に関して言えば、通常とは異なる状況下に置かれることによるストレスも高血圧を引き起こすリスクにも。
だからと言って決して外に出てよいわけではありません。そこで食事や家の過ごし方に工夫をすること、少しでもストレスのない過ごし方を見つけることが、大切になってくるのです。
高血圧の患者さんに、 東京医科大学の椎名先生は我慢ばかりでなくコンビニで間食や嗜好品などの選び方について以下のようにアドバイスをしています。
「ちょっとしたストレス解消としてコンビニでいつも買っている食べ物を少し変えてみるのもおススメで、私も実践しています。たとえば、甘いものが好きな人はミルクチョコではなくポリフェノール含有量の多い、いわゆる高カカオのチョコレートを選ぶ。お酒が好きな人はビールではなく赤ワイン。また間食にはナッツ類を選んでみる……など。 たとえば、チョコレートのカカオポリフェノールの継続摂取は高血圧の予防になることが日本で実施した実証実験でも明らかになっています。
また外出自粛などといった今おかれている状況は、非常にストレスがたまりやすい環境です。ついつい食べ物に手が伸びてしまうからといって、無理に間食を断とうとすると、さらにストレスになってしまい、かえって体に良くありません。無理の無い範囲でかまいません。少しだけ”何を食べるか”に気を使ってみると良いかもしれません。高カカオチョコなどは、普段 食べる機会が無い人であれば、そういった新しい刺激(ほろ苦さ)もある種の気分転換・リフレッシュにつながりますので非常におススメです。他にも家の中の段差を上り下りする、ストレッチを行うなども取り入れるとより良いでしょう。」
東京医科大学椎名先生 について
東京医科大学 循環器内科学分野 准教授
東京医科大学医学部医学科卒業。
医学博士。
専門は動脈硬化、高血圧、血管機能、睡眠時無呼吸症候群。
椎名先生のアドバイスにもあるように カカオポリフェノールの継続摂取は高血圧の予防つながることがわかっています。チョコレートを食べると太るのでは?という心配の声が聞こえそうですが、 4週間連続して、カカオ分72%の高カカオポリフェノールチョコレートを25g摂取 した場合においては、体重・BMIの増加は見られませんでした。
つまり、チョコレートを食べると太る、というのは誤解。欧米では昔からチョコレートを食べる習慣があります。ポリフェノールの多い、高カカオチョコレートを適量である、1日に25g程度食べる習慣は、健康レベルを向上させてくれますよ!
新型コロナウィルスによる外出自粛は、もうしばらく続きそう。新しい習慣を取り入れながら乗り切りたいですね。
参照:
https://www.thelancet.com/journals/lanres/article/PIIS2213-2600(20)30116-8/fulltext
https://www.cnn.co.jp/world/35151165.html
https://www.epicentro.iss.it/coronavirus/bollettino/Report-COVID-2019_17_marzo-v2.pdf
https://www.sbs.com.au/news/ninety-nine-per-cent-of-coronavirus-deaths-in-italy-had-pre-existing-medical-conditions-study-finds
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000786.000009728.html
https://www.meiji.co.jp/chocohealthlife/news/research.html
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