好きなことを仕事に!は正しいのか?
趣味を仕事にするとかえって楽しめなくなることも。
趣味を楽しむ女性はとっても生き生きしていて見ていて本当にうらやましい。
趣味でショップを始める方の成功例や趣味のお料理で本を出した主婦のお話などを時々テレビや雑誌で紹介されている。
さて、一見理想のように見える「好きなことを仕事に」、はその人を幸せにするのだろうか?
大っ嫌いなことは仕事にはできない
じゃあ逆ならいいのか?という反論をされそうなのでここは最初に押さえておきます。
大っ嫌いな仕事は一年ももたない。ココロあるいは体のどちらかが壊れる。(壊れ方はその人のメンタルや健康状態で程度は違いますけどね)
「好きなことを仕事にしたい」の誘惑
この誘惑は仕事でストレスを感じると出てくることが多いのだが…
女性のほうがよりその思いにさらされる傾向にある。入社から年数を経るにしたがって同期男性との賃金や待遇面の落差というのは現在の日本の企業にはまだまだ残っているからだ。
「どうして自分だけ…」という思いは職務に対するモチベーションを下げる。また、将来に対する不安にもさらされる。かといって今の世の中シングルでも結婚していても「家庭に入る」という選択はよほど経済的にゆとりがないと不可能なのだ。
その時にふと「趣味(好きなこと)を仕事にしたい。自分の特技を活かしたい。」と思っても仕方がないよね。
「結婚」「子育て」もきっかけだったりする

結婚を機に離職をする女性もいる。また、出産、育児の過程で離職を選ぶ女性もいるがいずれの場合も少しゆとりができたら(引っ越し先で生活になれたら、子供の手が離れたら、幼稚園に入ったら…てなところかな?)復職したいと願う女性は多い。
が、現実はそんなにうまくいかない。転職後の給与が前キャリアの半分以下も当たり前なのだ。
これは、結構心が折れる。すると、「パート程度の収入なら好きなことやりたい。」って思うよね。
そんな人の一部は自宅で数人の生徒さんを集めたり、小さなショップを開いたり、技術(メイク、ネイル、エステetc)を持った人ならそういった職に就いたりする人もいる。
また、何かお仕事につながるかも!と興味ある分野の資格講座を受講する人も多い。
「好きなことを仕事に」のメリット
趣味を仕事にする事のメリットもあるのだ。
・ストレスからの解放
・やりがい
が挙げられる。好きなことをやり始めるとキラキラと輝いて人生を謳歌しているなー。と、とてもうらやましくまぶしく感じます。
やりがいというのは人生に必要なものだなって思うんですね。
「好きなことを仕事に」のデメリット
・人間関係が狭いため対人のストレス
・経営に不慣れ(思ったより収入が上がらない)
・採算度外視/他人に価値観を押し付ける
・ON/OFFの切り替えができない
うまくやっている(安定した所得を得ている)人の中には「その料金ではほかの人にはあまり受け入れられない。」と思う価格設定をしている。
逆に採算度外視で自分の気持ちを優先させて過剰サービスをする人も。
どちらも自分の価値観で突き進んで客観性に欠けてしまっている結果なんですね。
また、技術職は時給単価が高いと思われがちですが、サービス業に近い技術提供のおしごとは思ったよりも単価が低く、繁忙時や予約が入っている時間のみスポットで呼び出されることも多い。すると月の所得は思った以上に低い。
それでも好きなことにこだわることは決して悪いことではないのですが、
仕事に対するときはある程度客観的に、自分の労働と所得が見合っているか?を確認しながら当たっていく必要があると思うのです。
労働>所得となってしまったら趣味と割り切ったほうがかえって思い切り楽しめるんですよね。
お金を稼ぐために働くことをもっと評価してもいい
「お金のために働く」というとまるで猛烈なけちんぼ、時には守銭奴のように日本では思われます。(「お金のために働く」なんて言わないのが日本人の美徳ですけどね)
ただ、自分の生活をまっとうなやり方で少しずつ良くしたい!と思うから一生懸命取り組める。少々のことを給料のために我慢し給料日にたまに飲み会で愚痴ったりゆとりを趣味に費やしたりするのはそんなに悪くない。
ある程度お金をやりがいにするのも悪いことではない。
評価が給料に結びつかないと思っても一度キャリアを手放すと現状の日本のシステムでは失うもののほうが多いです。
その心の隙間をつくように資格講座、趣味・教養講座の宣伝を見て受講してもその中で「一人が生活できるだけの所得を得られる人」、テレビで紹介される成功例は限られています。
趣味を仕事にしてもいいのだけど趣味を趣味のまま楽しむ事ができなくなることもありますし、その時逃げ場がなくなるくらいならお仕事と趣味を分けて楽しむほうがいいのではと思ったりしています。