浮世絵を楽しむ!錦絵、浮世絵、春画まで♡
浮世絵っておもしろい!むずかしいこと考えないで楽しんで♡
今年は年明け早々から浮世絵の展覧会があちこちで開催されていました。
日本の美術の中でも人気のある浮世絵ですが余りの頻度に疑問を持っていました。
その答えは2015年は浮世絵の技法の一つ「錦絵」の技術誕生から250年という年回りでした。
錦絵とは?
出典:wikimedia鈴木 春信[中納言朝忠(文読み)]
それまでも「紅刷り絵」と呼ばれる単色から数色の版画技法はありました。その紅刷り絵を発展させた形で1765年に鈴木晴信が完成させたのが「錦絵」と呼ばれる多色刷りの木版画です。
その錦絵を大流行させたのが、旗本の大久保甚四郎、阿部八之進と薬種商の小松屋三右衛門などの裕福な俳諧人たちです。
彼らは絵暦と呼ばれる当時のカレンダーに錦絵を施したものの交換会を行っており競うように豪華な錦絵の版画を作成、多額のお金をつぎ込んで技術の開発にも取り組みました。
より美しい錦絵を作るため、版元が鈴木春信などの浮世絵師たちに作画を依頼し、彫師、摺師もそれに応じるよう技術が向上したため数年という短期間で多色摺木版画が発展しました。
浮世絵と錦絵の違い
浮世絵は江戸時代の絵画のジャンルの一つです。
ですから版画に限らず、当時の生活や風俗が描かれたものですので、肉筆(絵師が絵の具で描いたもの)のものもありますし、錦絵も浮世絵になります。
錦絵以降は版画の技術も上がり大首絵と呼ばれる歌舞伎役者の顔の絵(現在のポスターみたいなもの)や名所絵(東海道五十三次)なども大衆の文化として広がっていきます。
浮世絵の「浮世」とは今風、現代風(もちろん当時のね!)という意味がありますので描かれた江戸時代当時の最先端ポスターみたいなものだったのでしょうね。
出典:wikimedia喜多川歌麿[三美人図]
春画♡
まあ、当時のエロ本ですよね。この春画は贅沢を禁じた吉宗の時代に発禁本になります。が!庶民は負けない!!それ以降はアンダーグラウンドで取引されるようになります。
するとね…普通の書物のようにお役所の目を顧みる必要もないわけですよ(だって禁じられてるのを内緒で作ってるウラ本なんだから)そりゃもう過激化するのも仕方がないよね。
デッサン力のあった北斎の描くヌードはとても素晴らしいとされています。また、20色以上の色が重ねられたものもあります。
出典:ukiyo-e search/鈴木春信[風流座敷八景]
しかし春画の細部を見ていくとエッチな部分だけではなく当時の暮らしが見えてくるものも少なくありません。
着物を見ればその人物の身分がわかりますし、衣桁にかけられた着物からは当時のファッションの流行が見えてくるのです。
春画をメインにした展覧会も開催されてきましたが、それを芸術とみるかどうかは個人が決めてくださいな!
錦絵の250年ということでその版画の技術面に注目、解説も交えながらの展覧会も行われています。が、絵の中心人物だけでなくその周辺に細かく描かれた人々や当時の建物をじっくりとみて江戸の人々のちょっと享楽的で面白く時に切ない生活を垣間見るのも楽しいですよ。
ぜひ機会があれば美術館、ギャラリーに足を運んでください。
参考書籍:
図説浮世絵入門
春画入門