はるな愛さん参加♡LGBTに関するLUSH JAPAN講演【全レポ】
LGBT当事者からLGBTを学ぶ
2月10日、恵比寿ガーデンプレイスにて、LGBTを支援するキャンペーン「WE BELIEVE IN LOVE-LGBT支援宣言-」を展開するイギリス発のカラフルなバスグッズブランド「LUSH」主催の、セクシャルマイノリティがより自分らしく生きられる社会をいかに作っていくかについて、LGBT当事者の講演・ディスカッションイベントが開催された。
イベントには、誰もが知るセクシャルマイノリティの人気タレント はるな愛さんのほか、認定特定非営利活動法人 グッド・エイジング・エールズ代表 松中 権(ごん)氏、特定非営利活動法人 虹色ダイバーシティ 代表 村木真紀氏、前東京都豊島区議会議員であり日本で初めてのオープンリーゲイ議員 石川 大我(たいが)氏が出席。
LGBT当事者でもあるスピーカー達の実体験や取り組み、そしてLGBTの未来に馳せる希望について、各人がポジティブに語った。
はるな愛さんが乗り越えたカミングアウトの苦悩と
家族の絆
「男性ですか?女性ですか?ときかれますが、
私ははるな愛です。
100%の男性ってなんでしょうか?
100%の女性ってなんでしょうか?
説明できますか?
男だから男らしく女だから女らしく、そういわれることで
傷つくこともあると思います。
欠けている部分、増してる部分があっていい。
そのままで愛しあっていいと思います」
キュートな黄色いドレスで登壇したはるなさんが、自身のLGBTとしての人生について、会場のひとりひとりに語りかけるように話した。バイタリティと気遣いに溢れたスピーチの中では、カミングアウトをした頃の苦悩を思い、涙ぐむ場面も。
「いつになったら親の前で、楽にいられるんだろう。自分らしくいられる家族の関係性って、今後あるのかなぁ、って」(はるなさん)
両親にも高校時代まで、自分のココロが女性であり、女性として生きたいと思っていることを伝えられなかった。学校の勉強も手につかない。歴史の授業中に教科書の中の紫式部を見るだけで、「『この人は女性だから女性の人生を歩めたけど…私は…』なんて思って」
高校生のときに、父親にカミングアウトした。ファミリーレストランで「女の子として生きていきたい」と告げた。今まで培ってきた家族の絆に溝が空いてしまうのではないかという不安もあったという。叱るときには必ず手が出る父親だったが、そのときは、奥歯を噛みしめて、はるなさんの前で初めて泣いた。「わかった。お前がそこまでいうなら、男なら一番になって、絶対人生悔いのないように、後悔だけするな」と。「『女になりたい』っていったのに『男なら』って(笑)」と当時のことを振り返った。
対し、従来までは一緒にお料理をしたりと仲良く過ごしてきた母親は、その日からはるなさんを無視するようになった。食事時も、「食事だよ」と呼んでくれもせず、ずっと無視。
今はまた仲良く一緒に買い物をするという母親にはるなさんが、当時なぜ無視したのかを尋ねると、「なんで賢示に、こんな悩みを持たせて産んじゃったんだろう。なんで男か女かもっとはっきりして、なんで世の中に出してあげられなかったんだろう」と自分を責めていたそう。母親は四国の愛媛のLGBTへの差別も強い地域で育った。悩んだ母親が、友人の若い女性に「賢示は、女の子とセックスしたことないから、こういう病気なんだ」と相談し、その女性がはるなさんを車で呼び出し、「賢ちゃん、そういうの病気だと思うから、今からお姉ちゃんとセックスしよう」と言われたこともあると明かした。
「親にも影で努力してもらったと思うし、感謝しています」(はるなさん)
以前は二択の人生だったと話すはるなさん。「生きるか死ぬか」、「男か女か」。でも今は違う。「男の声も出すし、股をひらくポーズもするし。(男、女という二択でなくて)もっと広くてもっと深いものだから。そういうセクシャルマイノリティ全員の代表でいたいという気持ちです」
“大西賢示”という過去はかえたくない。大西賢示が作った人生だから。