はるな愛さん参加♡LGBTに関するLUSH JAPAN講演【全レポ】
LGBT当事者からLGBTを学ぶ
「戸籍はかえたくないから、ぜひ、日本も同性婚認めて欲しい」と語るはるなさん。将来結婚する際には美川憲一さんに仲人をお願いすると決めている。
ちなみに今年バレンタインプレゼントを渡すお相手は、九州男児の23歳、一般のビジネスマンの方だそう。
「もし両親にお会いすることがあれば、(LGBTに)理解のある方だと嬉しい」(はるなさん)
飲食店経営も手掛けるはるなさん。そこでの人材採用でも性別やLGBTか否かは問わず、まず「夢を持っているか」を聞く。
そもそもLGBTの正しい概念とは?
「はじめてのLGBT」と題して、松中権氏から、LGBTの概念の整理と現状に関してのプレゼンテーションがなされた。
一橋大学卒業後、大手広告代理店にて就業している松中氏は、職場でもオープンに自身がゲイである、とカミングアウトしている。海外研修制度にて米国NYのNPO関連事業に携わった経験から、LGBTの仲間たちと「グッド・エイジング・エールズ」を立ち上げた。
マイノリティであるLGBTとして生きていく上で、年齢を重ねることに不安を覚える人は多い。現在の法制度では同性婚も叶わず、企業においての家族向けの福利厚生も活用できないなどの問題が生じてくるのだ。そんな現状を打破し、LGBTが楽しく年を重ねられるように、というメッセージで名付けた。
ご存知とは思うが、LGBTとは、セクシャルマイノリティ、の総称。L=レズビアン、G=ゲイ、B=バイセクシュアル、T=トランスジェンダーを意味する。
電通総研の調査によると、調査対象7万人中 LGBT率は5.2%という。左利きの人の比率が7%、血液型がAB型の人の比率が7%だということなので、驚くほどのマイノリティ“ではない”ことが伺える。
ひとえにLGBTといっても、3つのセクシュアリティの掛け合わせにより様々な組み合わせがある。
3つのセクシュアリティとは
①カラダの性 (体の性。解剖学的性別)
②ココロの性 (性自認。自身を女性と認識しているか男性と認識しているか)
③スキになる性(性的指向)
トランスジェンダー(=ジェンダー・アイデンティティ・ディスオーダー)と呼ばれる人は、正確には②のココロの性と①のカラダの性に強い不一致感があったり、自分のカラダの性に強い嫌悪感のある人で、カラダの性とは違う性で生きたいと思う人のこと。
トランスジェンダーの中で、病院で診断書をもらった人が、性同一性障害=ジェンダーアイデンティティーディスオーダー、となる。
対し、この逆がシスジェンダーで、シスジェンダーとは、ココロの性とカラダと性が一致している人のこと。いわゆるストレートの人もこれに該当する。
カラダの性が男性、女性、どちらかに強く決められない人というのも存在する。
「性分化性疾患」=インターセックスと言われ、60から70種類の症例がある。遺伝子、ホルモン、生殖器の3つが人間のカラダの性を決定するが、そのいずれか、もしくは複数が、通常と異なる場合に起こり得る。男性の遺伝子が、通常はXYのところ、XXYだったりするのがその例。
①カラダの性が男性、②ココロの性が女性、③スキになる相手が女性、のように、「見た目が男性だが心の中は女性で、女性が女性をスキになる感覚(レズビアン的な感覚)」で女性を好きになる、という現象も存在する。
また、「トランスヴェスタイト」(異性装)といって、自らの解剖学的性別とは違った装いで自身をアピールしたいという傾向の現れる人もいる。
これだけココロとカラダの性、性的指向のバリエーションは多様なのだ。
いわゆる「それがノーマル」と扱われてきた”シスジェンダーで性的指向はヘテロセクシュアル(異性愛)”というパターンも、なんだかそのバリエーションの1つに過ぎないようにも思えてくる。
また、“男性らしい女性”、“女性らしい男性”など、人により性格や立ち居振る舞いも様々であるし、この多様性はスッキリと線引きをすべきものでもなく、グラデーションのようにひとりひとり異なっているという捉え方のほうが腑に落ちる気がする。
当事者ではない人達にこそ
「ウェルカミング・アウト」して欲しい
アップル社CEOティム・クック氏やグラミー賞での英国人シンガー サム・スミスといった、非常に影響力のある人間が自らがLGBTであるとカミングアウトするパワー・カミングアウトなどのムーブメントを歓迎する松中氏。
「社会全体での大きなムーブメントだけでなく、学校、職場、家庭、病院、街、それぞれの場所で、LGBTの課題を発見し、各場所で整え始められています。当事者がカミングアウトするのはなかなか大変。だから周囲の人に“ウェルカミングアウト=カミングアウト歓迎だよ!”と伝えて欲しい。“アライさん”(海外での、当事者ではないがLGBTを受け入れる意志のある人の呼称。語源は協力者、支持者を意味する「Ally」)になってください」と訴えた。
職場でLGBTが差別にさらされているという現状