主夫?ヒモ?国民年金第3号被保険者の男性たち
専業主夫の男性たちとその家族のライフスタイルについて考えてみる。
「専業主夫」は家事・育児に専念する男性の事、「主夫」という言葉も社会に受け入れられてきました。
女性の扶養家族になった男性「主夫」は失業者、ヒモという偏見を受けている、という専業主夫たちの座談会が情報番組で取り上げられていました。
3号被保険者の男性は11万人
国民年金第3号被保険者とは2号被保険者(厚生年金加入者)に扶養されている配偶者が加入できる国民年金の制度です。
厚生労働省年金局が発表した平成23年度「厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、3号被保険者の男性の数は平成22,23年度で11万人います。平成23年度の女性の3号被保険者は967万人ですから割合は圧倒的に少ないにしてもかなりの人数に感じますね。
出典:写真AC
3号被保険者の男性はヒモか?
ワイドショーで、この「専業主夫」の男性たちやその家族の生活についてインタビューを交えて取り上げていました。
男性たちはすべての家事を完ぺきにこなし、働く女性のサポートをしていました。
座談会では主夫たちが「女性が働かなくても「主婦」と呼ばれるのに自分たちは「無職」」として扱われる」ということ、「実家(女性方の両親)に打ち明けられないままだ」ということを正直にお話しされていました。
街角インタビューでも容認派と反対派両方の意見が出ていました。
また、主夫たちのインタビューの中でも「どうしてあんな男と結婚したんだろう」という言われ方をしていたことがわかり傷ついたとも話していました。
家族の在り方は家族で決めるもの
実際に働く妻の方の意見も放送されていましたが、女性の方は特に気にする風でもないという感じでした。まあ、そりゃそんな女性でないとそもそも主夫が成立しないのだからインタビュー受けてる時点で答えは予測できますよね。
本人たちが良ければ、まったく問題ない話ですよね。家族が選んだライフスタイルの中でうまく維持できない事態が起きればその時にそれぞれの家族が考えていくしかないのですよね。
出典:写真AC
男性が働かないとうい選択は女性よりも厳しいよ
個人的には主夫という生き方には共感できません。
彼らは「育児と家事は大変だから主夫になった」と言いました。また「女性の課長を3割に、と政府が目標を掲げるなら同じバランスで男性の家庭進出を推進するべきだ」とも。
育児と家事が忙しいのも確かで一時期どちらかの親が家庭に入るという選択がベストになってくる事もあると思います。
その時に女性が一時的に離職をしても社会復帰はなかなかに厳しい。増して、男性が「主夫」というあいまいな立場で社会から離れてしまうと社会的な信用の落ち方は女性のダメージの比ではないと思うのです。
自営で独立を考えていらっしゃる方は該当しないと思うのですが、サラリーマンやってる方の再就職はとても難しくなりますよね。
その時に困るのは、自分が大切にしている家族なのです。
現状の日本の社会システムで「主夫」を選択するのはやはりリスクが高いと思うのです。
おまけ話
さて、11万人も専業主夫がいるのか?とふと疑問に思いちょいと年齢構成を調べてみました。
出典:厚生労働省年金局 平成23年度「厚生年金保険・国民年金事業の概況」
男性の構成比で一番大きい年齢層にご注目、55歳以上、50歳以上の3号被保険者は男性全体の45%以上になります。
これらの男性は家庭を守るとか育児のためでなくほかの要因(病気や失業が想像されますが)で厚生年金に加入している女性の扶養になっている可能性が高いのではないでしょうか?
5万人という数字を多いとみるか少ないとみるかは考え方ですが、この部分の人たちに対してはもっと対策が必要な気がします。