夏休みの宿題はコミュニケーションのチャンス!親子で楽しむ自由研究
夏休みの宿題、親子を悩ます自由研究は思い切って親が楽しもう!
学生、生徒には待ちに待った夏休みです。小学生や幼稚園の子供を持つ親にとっては、普段よりも忙しさが増すのが夏休みです。
仕事に行っている間子供たちは無事だろうか?宿題ドリルはちゃんとできるかな?常に頭の片隅に不安を抱えながらワーキングママは頑張っています。子供たちもちゃんとわかってるんですよね。きっと!だからドリルは何となくでも進んでいたりする。毎日の日記くらいなら、夜寝る前に確認できるので忘れないようにこなせます。
が、夏休みの宿題の”ラスボス”は一筋縄にはいきません。そう……「自由研究」です。
自由研究の完成度が上がっている
出典:写真AC
さて、ワーキングママ世代も自由研究の宿題をやったことがある人がほとんどだと思います。観察日記とか、月の満ち欠けとか定番でしたよね。工作も定番(これは今でもある程度の割合でいます)でした。
ところが、夏休み明けの参観日で見る(わが子以外の)自由研究の作品の数々には驚かされます。
パソコンで作られた社会科研究のレポートはどこのプレゼン資料?と思うくらい完成度が高いものがちらほら。観察日記というよりも、生物学の研究レポートを素人でもわかりやすく解説したのではないかというくらいの身近な生き物の生態について。DNAの抽出…。
工作も特許取れそうな仕組みなのになぜか素材が段ボールという見事な作品にも出会えます。そりゃもう、見入ってしまいますよ!「すごーい!」と一瞬感動し、直後に「来年から我が子の自由研究どげんかせんと!」と、妙なプレッシャーを感じるのです。
自由研究は頑張れ!では限界が
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自由研究の題材は子供が選ぶのが一番です。しかし、多くの子供は自分の身の周りの自然現象は当たり前すぎてそこにどんな「不思議」が隠れているのかさえも気が付いていません。一部の子供を除いて「自分で自由研究のテーマを決めよう!」といってもどうしていいのかわからないのです。
生活の中で我が子が何に興味を持っているかを見極めて少しヒントを与えてあげることが大切です。大人はこれまでの経験を駆使して一か月以内に完成、かつ自分が手伝えるのは盆休みと仕事が休みの数日のみ!までを計算してそこそこの結果を残せそうな題材を提案するのが第一歩になるかもしれません。
もちろんやりたいことがある子供には、自主性に任せてつまづいた時こそ手伝ってあげたいですよね。
親の好みでテーマを選んでもいい
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どうしても子供に自由研究のテーマが見つからない場合は、遠慮せず親の興味のわくことをやってみるのも一つの手段です。生物が好きなら生き物の観察でもいいですし、物理好きなら身近な不思議現象について一緒に考えるのも楽しいでしょうね。経済の仕組みに詳しいパパ・ママは年齢に合わせて社会の仕組みについて少し詳しくまとめていくことです。
親の押し付けにならないか?との思いもあるかもしれませんが、自分の親が面白そうにする姿を見ると子供は「面白いかも?」と思います。逆に全くつまらなそうに義務的にやっても何も響かないですし、出来上がる作品もありきたりになりがちです。
つまり、親が楽しそうに自由研究をして「こんなのわかった!」なんて無邪気に喜ぶと子供も何となく引き込まれ、そこに親子のコミュニケーションも生まれてくるのです。
ただし、親がアツくなりすぎないことも大切ですよ!自分が詳しいからと言って子どもの興味や理解をオーバーして振るった熱弁は子供のやる気を削いだり、親子ゲンカのもとになります。
親子で迷ったら「自由研究キット」で!
お仕事で手一杯、一緒に一つのテーマを見つけるのも難しい場合にはもうお助けキットに頼ってしまいましょう。
ある程度のクオリティーがまず確保できます。その上で興味が出てきたら、もう少し詳しく原理などを調べることで自由研究に深みを持たせることができます。
キット購入でもいいですし、「自由研究・実験」などの検索ワードでググっても自宅でできる実験の方法などを閲覧できます。
レポートのまとめ方はちょっとお手伝い
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実験は楽しんでも、レポートをまとめるのが最後の難関です。
この辺はやはり親が少し手助けしてあげる必要があるかもしれないですよね。
実験系の自由研究したときには写真を多くとってあげると、レポートの時にずいぶん楽になります。文字を書く代わりに絵や絵が苦手なら、写真のプリントを多用することで少ない文字量でもそこそこの出来栄えになります。
社会系の研究の場合も、出典を明確にしながら図などを挿入していくとわかりやすくなります。大人が読むレポートからの出典だと、簡略化して表記も子供向けにしていくことで子供たちは理解を深めていきます。
番外編「走れよメロス」が秀逸
さて、今までいろいろな自由研究に出会ってきましたが、この研究が一番すごい!と思った作品があります。
ネットで一時期話題になりましたので、ご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、タイトル「メロスの全力を検証」中学2年生の村田一真くんの作品です。
太宰治の作品「走れメロス」を検証しました。小説内の時間や距離の表記からメロスがどのくらいの速度で走ったかを計算しています。
アイディア、内容が卓越しているのもそうなのですが、この作品のもっと素晴らしいところが全編鉛筆書き、(しかも所々で字は躍っている)田村君のレポートをまとめているときの気持ちがありありと作品から読み取れます。数学系の多くの作品は、レポートの字も美しく背後の「親の努力」がにじみ出ているのですがこの作品には全くなし!
また、考察ではメロスへの「つっこみ」を忘れていません。感想では太宰先生に向かって「走れメロス」ではなく「走れよメロス」に改題するよう提案も入っているのです。
中学生の作品ですので小学生の自由研究とは少し違いますが、これぞ自由研究!という作品の一つであることに間違いありません。
「メロスの全力を検証」PDF版
さて、自由研究は大変です。でも、子供の前で「面倒だねー!」なんていうことだけは避けましょうね!
(めんどうなことには間違いないので心の中で叫んでください)子供と一緒に遊びの延長で体験を楽しんで、よい作品が仕上がるといいですね。
参考サイト:一般財団法人 理数教育研究所