「保活」は妊娠前から始める?働く都会の女性と保育園の問題
もうすぐ保育園申込時期…都市部の待機児童問題はまだ解消されません。
「保活」働く女性にとって重大問題です。
だって子供を預ける保育園が確保できないと職場復帰そのものが危うくなるのです。
今回は子供を望みつつ働く女性が抱える保育園問題「保活」について。
「保活」とは
働く女性はすでにご存じと思いますがちょっと説明。
子どもを保育所に入れるために保護者が行う活動。都市部では、保育所の入所希望者が定員を上回り、入所できない待機児童が多数いるため、入所選考の際に有利になるように就労条件を変更したり、入所しやすい保育所の近くに引っ越したりするなど、涙ぐましい努力をしている保護者も多い。
出典:コトバンク
〇〇のために具体的におこす行動として就活、婚活に次いでできた言葉のようです。
待機児童日本で3万人超??
まずはデータをご覧ください。
出典:厚生労働省報道資料「保育所入所待機児童数(平成26年10月)」
平成26年10月に厚生労働省が発表した待機児童数は全国で30,646人もいます。
また想像通り都市部では多く、ほとんど待機児童問題のない地域もあります。
「保活」は生まれてからでは遅い?
東京などでは待機児童問題は深刻で4月入園の申し込みを逃せばその年度の入園は実質不可能になります。
4月入園の申し込みは前年10月から11月に行われます。その時点で申し込みをするためには早生まれの子(1月から3月生まれ)では無理なため、「保活」も念頭に入れた「妊活」をしている方もいらっしゃいます。
出典:pixabay
フルタイム共働きでも入園できない「点数」の壁
さて、保活経験者の方はこの点数制に泣かされた方も多いのではないでしょうか?
公立の認可保育園の申し込みの際には就労状況や様々な状況を点数化します。
その点数が高い人から順に入園を決定します。
具体的には
労働状況:「週5日以上勤務し、かつ週40時間以上の就労が常態であること」で50点、週37時間なら45点
しかし、休職中の人は10点しかもらえません。
兄弟保育:「兄弟姉妹が在園中」5点、「認可外保育に預けて保育」6点
介護なども含めて30項目弱の点数を加算していきおよそ110点以上ないと入園できない地域もあります。
つまり夫婦2人でフルタイムで働いているだけでは100点にしかならないから無理、という事態も出てきています。
(点数は自治体によって違うので、役所などで確認してください)
ひとり親加算に頼る人も
入園できないで仕事を辞めると「求職中」になりポイントはますます下がります。そのまま離職、職場復帰が遠のく女性も少なくないのが現実です。
苦肉の策として一時的に離婚をするご夫妻もいらっしゃいます。
なぜなら、「ひとり親」世帯には保育基準の点数が20点加算されるからです。
保育園、小学校の子供を育てる時期は共働き世帯にとって肉体的、精神的に非常に負担を感じる時期です。
小学校高学年になると肉体的なものは随分と楽に、精神的にも少し落ち着いてきますが今度は経済的な負担が大きくなります。
お子さんの個性によっては精神的につらい時期を迎えるご家庭もあります。
せめて子供が小さい時期安心して就労をできる環境を整えてほしい!と切実に思追うのです。
余談ですが現在の日本のシステムにおいて今回の「保活問題」の他にも、入籍・婚姻の制度についてはデメリットを感じることがあります。
夫婦で一世帯になることで税金が多くなったり、「扶養家族」に入れない妻の立場の女性が抱える金銭的な問題が潜在的にあります。
社会システムもうちょっと個人主義に切り替えたうえで夫婦の価値観を認められる社会の実現ができるといいのにな…