「うなぎのかば焼き」関東風・関西風とは言わないけど結構違う
うなぎのかば焼きが庶民に食べられるようになったのは家康のおかげ♡
ウナギのかば焼き、庶民にはちょっと遠い高級食になりましたね。食文化は関東と関西で結構違いますが本物のウナギのかば焼きは関東と関西で調理法が違ったりします。
甘辛い味付けという共通点のためあまり知られてはいませんが、工程が全く違うんですよ!
かば焼きの「かば」は「がまの穂」?
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いや動物のカバじゃないことぐらいだれでも気が付くと思うけど、かば焼きってそもそもなんなの??って気がしません?
「かば」の語源には諸説あるのですが「ガマの穂」説が有力です。
かば焼きを漢字で書くと「蒲焼」この漢字「蒲」が植物の「ガマ」なんですね。
ウナギのかば焼き、今では切り開かれて甘辛いたれ(醤油、みりん、砂糖))で味付けしているので茶色い色が「ガマ」の穂と似ているからかと思いきや!
昔はね、鰻をさばきもせずにタテに串をぶすっ!とぶっ刺して丸焼きにしてたれで味付け!ワイルドだろ~♡
まあ、ビジュアル的に「ガマの穂」だよね…
で、「がまやき」って言いにくいから「かばやき」になったというのは無理があるような気もするが…こう言う通説があるのです。
江戸時代に鰻が食べられるようになったのは家康のおかげ?
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日本では太古の昔からウナギを食べられた形跡がありました。しかし本格的に食文化として根付いたのは江戸時代と言われています。
これは家康が江戸湾を干拓した際、干拓工事によって江戸のあちこちに湿地ができそこにウナギが住みついたためそれを取って屋台で提供したのが始まりです。
武士道精神の関東・商人文化の関西は通説
関東と関西のかば焼きの調理法の大きな違いは「開き方」です。
かば焼きってウナギの開きを調理していますよね?この開き方が関東では「背開き」、関西では「腹開き」になっています。
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江戸の食文化として取り入れられた際に切腹を連想させる腹開きは敬遠されました。しかし関西では商人は「腹を割って話をするもの!」という商人文化で特に背開きにとらわれなかった、というのが一般的に言われていますがこれも間違い。
実はこの後の調理法が違うから背開き、腹開きが違ってきます。
関東・関西かば焼きの違い
焼く・蒸す・たれ焼の関東風
関東のウナギのかば焼きはまず強火で素焼きにし、その後蒸します。
この工程で余分な脂を落とし、蒸して身を柔らかくできます。
仕上げとして味付けでたれ焼にしますが、腹開きにしてしまうと仕上げに串を打って焼いた時に半分に身が割れてくるのだそうです。それを防ぐためと大きなうなぎは背びれが食べたときに食感が悪く口にさわるので背開きにしています。
焼いてたれつけるだけ~の関西風
さばいて焼くだけなのでその身は締まって割れることはないようです。それに腹開きのほうがラクチンでテクがいらないのでせっかちの関西人にはこちらのほうがあったのでしょう。
さっぱり味の関東風コッテリの関西風
調理段階で脂を落として丁寧に作った関東のかば焼きはさっぱりした味が特徴です。関西風ではたれの甘みと鰻の脂のコクがあわさって香り高い蒲焼が食べられます。
このあたりは、好みなのでしょうがスーパーで売ってるような「かば焼き」はどちらかというと関西のウナギのかば焼きに近いような気がしますね。
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ニホンウナギは絶滅危惧種!!
ウナギ自体は世界中にいろいろな種類が生息していますが、日本や朝鮮半島に生息するニホンウナギが絶滅危惧種に指定されました。
漁獲量は激減
具体的な漁獲量は1956年には2438トンでしたが、2013年には165トン。うなぎのぼりならぬウナギ下り?欲しくてもヌルヌルと手に入らない寂しさを感じますね。
原因は河川環境の変化、海の環境の変化、あと日本人が食べすぎたからというのもあります。
海?と思われるかもしれませんがウナギの稚魚はどうも海で一時期を過ごすということが分かってきています。
ウナギ、食べたい
ウナギのお値段がどんどん上がってきていますが、あの柔らかくたれと脂の甘みを楽しめるかば焼きって食べるとしあわせ感じますよね!
鰻屋さんの前を通るとふんわりかば焼きの焼ける匂いもたまりません♡
日本の技術力でウナギの生態の解明、もっとお手軽に食べられるようになるといいですね。