男も仕事も”好き”を素直に。ヒンシュク買うくらい男に色目使ったっていい。
女豹ライター 島田佳奈さん
サラリーマンをやりながら、「やっぱり物書きになりたい」という思いは持ち続けていました。
「雑誌のライターとかもありかも」とも思ったんですけれど、私は「自分語り」をしたいんだなと感じていて。趣味で小説は書いていましたけどね。でも、やっぱり小説より、エッセイをやりたいんだなと、ちょこちょこ自分でものを書いたりしながら、感じていました。
そのうち、ライターズスクール(脚本家連盟のフリーライター養成講座)に行きだして。
当時の夫(今は離婚)にも「それをやってみたいなら、できる仕事から副業ででもやってみればいいじゃない」って言われて背中を押されたのもありました。
「あ、就職してライターになるしか道がないわけじゃないんだ」「賞取らないと仕事できないわけじゃないんだな」、
そう気づいて、副業で文章を書くことを始めました。
その後離婚し、ライターではまだまだ食べていける実力ではなかったこともあり、転職しました。
ひとりで生きていくためには技術系などの「手に職」だと思い、29歳のときにシステムエンジニアの資格を取って、システム会社に就職。
33歳でSEとして独立する、と決めました。
SEの資格試験の結果待ちの間は、編集プロダクションでアルバイトも。
「アダルト雑誌の作り話の経験談も書いたりしてましたよ。“女子大生A子さん”になりすました体験談とか書いてました(笑)
そういうエロ系のお仕事を毛嫌いすることもなかったです。
男子の欲望に抵抗がないというか、自分が好きか嫌いかでなく、単純にそれを面白がれましたね。
アダルトって景気に左右されない強い業界ですしね。
SE社員時代。社員旅行では若手に馴染むようこんな宴会芸もノリノリで。
コンビニチェーンのマーチャンダイザーからSEへ!
思い切った転換でしたね。
資格もすぐ取られるとは、すごい行動力。
「決めたら速攻!」なんですよ。SEとして就職して、3年で独立しようと。
“入社して3年そこでご奉公すれば、会社が私を採用したコストを回収できるな”と逆算して。その後の1年は恩返しのつもりで就業して、33歳で本当にSEとして独立しました。
フリーのエンジニアになってからは人材バンク3社に登録して、プロジェクト単位で仕事を請け負っていましたね。
まさに“イチとゼロの世界”で、技術がキッチリお金に反映されてしまう。
でも自分の付加価値で、如何に技術プラスアルファを提供できるかで勝負した。
SEの世界はまさにイチとゼロの世界。技術がお金にきっちり反映される。その代わり、責任もストレートに負わされるけれども。
人もきっちりしていて、フィーで「色をつける」みたいな曖昧さがない。
でもそんな世界だからこそ、いかに純粋なシステムスキル以外の部分に自分の付加価値をつけるかを考えましたね。
その中で辿りついた結論が、チームメンバーのムードメーカーになって脱落者が出ないように引っ張る、そんなソフト面での付加価値をつけること。
SEって、自分自身でスキルを向上させていかなくてはならないので、メンタルとかも強くないとダメなんですけれど、やっぱりそこで脱落しちゃう人もいる。
体力的にも、ハードに働きすぎて1人倒れると、穴埋めするのも本当に大変なので。
独立してまだ日が浅くて、SEとしては数少ない女性だし、委託で入っている人間なので最初は社員の男子たちとのやりづらさもあったりしたんですが。
でも、休憩時間に積極的に男子SE達と一緒にオンラインゲームをしたりするようにして。最後は
“人の目を見て話せないSE男子達のムードメーカー”
というポジションを確立しましたね。そうすると、ご指名で仕事がもらえるようになって、人材バンクの紹介なしで仕事が取れるように。
ここでも、
幼少期から培われた「男子の喜ぶことを素直にやればいーじゃん」精神が活きましたね(笑)
フリーSE時代。こう見えてネット厨でオフ会にハマっていた。
37歳で、夢だった作家としての出版が決定