パイナップル特有の酵素“ブロメライン“がタンパク質の消化を促進!「パインデトックス」のすすめ♪
現代人はタンパク質の過剰摂取状態に?パイナップルや果物の効果とレシピ紹介。
日本人の食生活は戦後大きく変化しています。主なたんぱく源は魚から肉に代わり、炭水化物の摂取量も減少しています。そのため、日本人はタンパク質(主に肉)の過剰摂取状態にあるのだとか!タンパク質は必要な栄養素である一方、摂取しすぎることにより病気リスクも上昇します。そこで、タンパク質を分解する酵素を持つ果物を上手に取り入れることが推奨されています。今回は、日本人の食生活の減少と、たんぱく質を分解する酵素を持つ果物の代表ともいえるパイナップルの効能、さらにパイナップルレシピやパイナップルの情報をゲットできる「バナナ・パイン研究所」ウェブサイトのご紹介です!
20代男女はこの3年で「タンパク質」過剰摂取状態に
日本人の成人が1日に食べる野菜類と果実類、魚介類の量はすべての年齢層において10数年前に比べ減っています。一方で肉類は増えており、「国民総肉食化」が進行しているといえます。
さらにこの数年では、糖質制限ダイエットや筋肉トレーニングなどの流行により、タンパク質摂取を大きく促す動きになっています。「平成28年国民健康・栄養調査」では、20代のたんぱく質平均摂取量は男性が74.5g、女性が60.5gとなっており、厚労省が定めている日本人の食事摂取基準*よりも上回りました(*男性:60g、女性:50g)。
タンパク質の過剰摂取が腸内腐敗を引き起こす?!
通常、タンパク質はアミノ酸となって腸で吸収され全身にめぐってさまざまな働きをすると同時に筋肉の構成物質になります。しかし、過剰なタンパク質は腸で吸収されずに留まってしまうのです。タンパク質が十分に消化されないと、不消化タンパク質となって残り、大腸内でそれを悪玉菌(腐敗菌)が分解して、「窒素残留物」を作ります。悪臭の元であるインドールやスカトールなどの窒素残留物は、人体に大変有害な物質であり、人体に悪影響を及ぼします。その結果、便秘、肌荒れをはじめ、最悪の場合は大腸がん、肝臓障害、腎障害、動脈硬化といった重大な病気を引き起こすリスクにもなります。
特に動物性タンパク質は腸内に残りやすく、一旦消化不良が起こると、体内の酵素が大量に消化作業にまわされます。すると消化以外の仕事をする酵素が足りなくなり、代謝が滞りカラダはかえって弱ってしまいます。きちんと消化が行われないと、どんなに栄養価の高いものを食べても、その栄養素が利用されることはありません。それには、消化酵素の働きが欠かせないのです。
過剰なタンパク質を分解する、フルーツ酵素の力
酵素は炭水化物、脂質、タンパク質、ビタミン、ミネラル、食物繊維、水、ファイトケミカルに次いで「第9の栄養素」といわれており、人が生きていくために欠かせない栄養素です。酵素には、人の体にある「潜在酵素」と、外部から取り入れる「食物酵素」があり、潜在酵素の働きには大きく「消化」と「代謝」の2つに分けられ、それぞれ「消化酵素」「代謝酵素」と呼ばれています。潜在酵素は、体内で一定量しか作られないため、タンパク質の摂りすぎは消化酵素を大量に使うことになり、代謝酵素が減少してしまいます。代謝酵素を増やすために、消化酵素を節約することが大切です。
そのためには消化がよく酵素をたっぷり含む生のものを意識的に取り入れることが必要です。
そこでおすすめするのが、フルーツです。酵素が豊富で、消化にはほとんどエネルギーをつかわないので、潜在酵素の消耗を防ぐことが出来、ビタミンCやファイトケミカルなどの抗酸化食物も豊富です。また、何より果物の70-90%はきわめて良質の水です。食物繊維も豊富で、少量ながら良質の脂肪酸やアミノ酸も含まれています。糖分に関しても、砂糖のように、肥満、虫歯、歯槽膿漏、糖尿病などの原因になることや免疫機能を傷つけることはありません。生の野菜やフルーツで外から食物酵素をたっぷりと補給すると、食物酵素が消化を促進するので、自然と代謝酵素が増え、代謝があがります。
タンパク質の分解を促す、パイナップル独自の酵素 “ブロメライン”とは?
フルーツ酵素の中でも特におすすめしたいのが、「パイナップル」です。生のパイナップルを食べると舌がピリピリと痛くなった経験がある人がいると思います。それは、パイナップル独自のたんぱく質分解酵素「ブロメライン」が舌の粘膜を刺激するためといわれています。この酵素は肉などのたんぱく質を柔らかくする作用があり、他にも胃腸の負担を軽減し、消化吸収を高める働きをすることもわかっています。また、ブロメラインには怪我や捻挫、関節炎などといった炎症の腫れや痛みを和らげたり、腸内の老廃物を分解する作用によって下痢や消化不良、ガス発生など消化器系の症状を抑えたりする効果があります。こうした効能が認められ、医薬品やサプリメントとしても活用されています。ブロメラインは60℃以上に加熱すると酵素が変性してしまい、たんぱく質分解酵素の働きは失われてしまいます。
そのため、生食での摂取がおすすめです。
パイナップルの魅力はプロメライン以外にも!
パイナップルにはブロメラインのほかにも、多くの栄養素が含まれている魅力的なフルーツです。例えば、ビタミンB1はエネルギー源である糖質などを分解して、エネルギーを発生させるために欠かせないビタミンです。アルコール分解にも使われるので、お酒を飲みすぎるとビタミンB1 が多量に使われ二日酔いの原因になってしまいます。ビタミンB1 は水溶性なので、洗ったりゆでたりすると、水と一緒に溶け出てしまいますが、パイナップルならそのまま食べられるので、調理で失われることもありません。また、パイナップルに含まれるクエン酸やリンゴ酸は、酢や柑橘類にも豊富な成分で、パイナップルのさわやかな酸味のもとになっています。この酸味が食欲を刺激して、だ液や胃液などの消化液の分泌を促し、食欲を出させるのです。
監修者:医学博士 長野美根(ながの よしね)先生

「タンパク質・及びアミノ酸の代謝に関する研究」、「魚肉類の溶出成分に関する研究」、「郷土料理の分析」など食物とその代謝について幅広く研究に従事。現在、東京医療保健大学客員教授。日本獣医生命科学大学講師、一般財団法人「武蔵野市給食・食育振興財団」理事。「食と健康」「食育」などで全国各地の学校、企業、自治体などで講演及びアドバイスなどをおこなっていまず。
生パインを使った「パインデトックスレシピ」3選
パイナップルに含まれるブロメラインは熱に弱いため、生のまま取り入れることを推奨しています。そこで、朝昼晩と生活に合わせて手軽に取り入れられる、料理研究家・関口絢子先生考案の「パインデトックス」実践レシピを3品紹介します。
【朝食におすすめ】パインボウル

パイナップルの酵素、バナナのビタミンB6(タンパク質代謝ビタミン)、シリアル(食物繊維、ビタミン)を組み合わせたヘルシーなモーニングメニューです。
材料(1人分):パイナップル1/3カット、バナナ1本、プレーンヨーグルト1/2カップ、シリアル適量、ミント3枚
作り方:
1. 器にバナナを入れフォークの背で潰す。パイナップルは半量を細かく刻み、残りはスライスする。
2. 1のバナナにヨーグルト、刻んだパイナップルを入れて混ぜる。スライスしたパイナップルとシリアル、ミントをトッピングする。
【ランチタイムにおすすめ】パインデトックスウォーター
パイナップル同様に消化酵素を助ける生姜、アンチエイジングやリラックス効果のバジルで爽やかな仕上がりに。ランチとともに取り入れていただくことをおすすめします。生姜は、外出先のコンビニやスーパーなどでも購入できるジンジャーパウダーやジンジャーシロップに代用可能なので、タンブラーさえあればオフィスなど外出先でも手軽に作ることができます。
材料(1人分):パイナップル1/4カット、生姜1かけ、バジル2〜3枚、ミネラルウォーター300ml
作り方:
大きめのガラスピッチャー(メイソンジャー、タンブラーなど)に、適当な大きさに切った材料と水を入れる。
【夕食におすすめ】パイナップルのグリーンソースがけ

パイナップルの酵素に加え、タンパク質を代謝するビタミンB6が豊富なクルミ、消化酵素を助けるパセリ、ニンニク等で仕上げたグリーンソースを合わせたオードブルレシピ。肉料理やディナーの添え物や前菜としてオススメです。
材料(1人前):パイナップル1/6カット、
ソース・・・パセリ1枝(5g)、クルミ3粒、オリーブオイル大さじ1、ニンニク1/4かけ、塩少々
作り方:
1. パセリは茎を除いた葉の部分、クルミ、にんにくをまな板の上で細かく刻みながら全体を合わせ、包丁でたたく。オリーブオイル、塩を加えて混ぜる。
2. カットしたパイナップルの上にソースを乗せる。
レシピ監修者:料理研究家 関口 絢子(せきぐち あやこ)先生

1969年1月17日東京生まれ。川村学園短期大学食物学科卒業。企業やWEBサイト・各種メディアや媒体を中心に、レシピやコラム、 企画提案などを行う。斬新なアイデアやニーズを捉えた企画が人気を博し多岐に活動。毎日続けられる事をモットーに、簡単・おいしい・お洒落、そして美容と健康に直結したレシピを発信。「食から始めるアンチエイジング」をテーマに、一生女性が輝き続けるための食事法を紹介。セミナーや女性誌の特集で人気を集めています。
ウェブサイト「バナナ・パイン研究所」とは?
「バナナ・パイン研究所」は、果物の生産や販売を手掛けるDoleが掲げる使命「よい青果物をつくり、それらを活かした加工食品をつくること、そしてみなさまの健康と美容の増進に貢献すること。」の一環としてこちらのサイトからの情報発信を通じ、バナナとパイナップルの基礎情報や美容・健康価値の理解の一助になるよう開設されました。

パイナップルの情報についても、「バナナ・パイン研究所」で公開しています。「レシピ、切り方」「研究と知識」「美容と健康」など5つのテーマに分類し、ドールが推奨する食べやすい切り方やレシピ、パイナップルに関する研究結果を医学博士など専門家の監修のもと、わかりやすく解説するなど、充実したコンテンツを用意しています。
「バナナ・パイン研究所」URLはこちら!
https://www.banana-pine-lab.org
2017年は、新デトックス時代
“デトックスブーム”が話題になったのは、2005年から2006年にかけてでした。当時の内容は、「食物繊維を摂って便通を良くし、腸内にたまった老廃物を排出する」「週末断食やプチ断食を行うことで肝臓の解毒力を上げ、体をリセットする」といったことでしたが、エビデンスが乏しかったため徐々に収束していきました。ブームから約10年が経った今、世界のトップ科学ジャーナルが最新研究として食物繊維と腸の関係や断食による効果を発表。一般メディアもそれに追随して新しいデトックス=“新デトックス“として取り上げるようになりました。
新デトックスの考え方は、毒を排出することはもちろん、「体内で毒をつくらない」「腸の機能の活性化を通じて心身ともに健康になる」など、進化したものになっています。手法としては、「デトックス作用があると実証されている食品(ブロッコリーやコーヒーなど)を生活に取り入れる」「ファスティング(断食)を行うことで体の浄化機能を高める」「体内最大の解毒器官である腸の健康を維持する(=腸活)」などが挙げられます。
特に「腸活」では、腸内細菌叢の乱れによって起こる不調(肥満になりやすい、糖尿病や心疾患のリスクが高まる、ストレスに弱くなりうつや不安症になりやすくなる、等)が次々に明らかになったこと、糖質オフダイエットなどの影響でタンパク質や脂質を過剰に摂取するようになったことで、2016年から世間の注目を一気に集めるようになりました。
こうした新デトックスは、最新のヘルスケア情報を紹介している日経BP社発行の「日経ヘルス」でも特集が組まれるほどです。
日常の食生活は、健康に大きく影響します。野菜・肉も大切ですが果物にはたくさんの栄養素があり、何よりおいしく食べられるので続けやすい食品です。パイナップルの効能やレシピが紹介された「バナナ・パイン研究所」のサイトも参考にしながら、パイナップルやバナナなど酵素の入った果物を上手に食生活に取り入れてみて下さい。