偽イケメンを見破る秘訣
イケメン評論家の内藤みかさんがお送りするイケメンエッセイ。今回は「偽イケメンを見破る秘訣」
アメリカ在住の知人女性があちらで出会い系サイトを経験した。アメリカの出会い系サイトはほとんどメールの交換はしないという。直接会うために気軽にアポを取り合うためのものなのだそうだ。何度もメールを往復させてからやっと会う段取りをつける日本とは随分違うのかもしれない。
そして今、平安の頃から異性と文(ふみ)を取り交わす習慣がある日本では、出会い系のいわゆる詐欺が横行している。実際の自分の顔とは違うイケメンの画像を登録しする写真サギ的なものだけではない、女性がお金を要求されるなどの犯罪行為も多発しているのである。
出会い系でイケメンの画像を自分の顔として使った男性が過去に何人も逮捕されている。なぜ逮捕されているかというとプロフィールを偽ったからではない。写真に騙されて親しくメールを交わすようになった女性からお金を騙し取ったからなのだ。まだ会ったこともないニセイケメンの身の上話に同上してお金を振り込んだ人が何人もいることに驚きを隠せない。
逮捕された男性の中には「自分の顔だと誰もメールの返事をくれないのにイケメンの顔の画像にしたら返事がもらえるようになった」というような哀しいことを言う人もいた。このようなことがあるので、出会い系でイケメンがいてもすぐに盛り上がらず「もしかしたらニセモノかも」と疑う気持ちの余裕は持っていたほうがいいだろう。
イケメンの画像がニセモノかどうか、見分ける方法はいくつかある。タレントの画像を流用している場合、背景が真っ白だったりするので昔はすぐに見破れた。けれど最近はタレントもブログなどにプライベート画像を出すので、それを流用する人もいるため見分けるのは難しくなってきている。けれどGoogle画像検索で同一画像を検索できるので、同じ画像がネットのどこかにないかを探ることはできる。
私は、偽イケメンかも!?と感じたときは「別の画像も見てみたいな☆」とねだることにしている。本人だったらいくらでも新しい画像を撮ることができるはずだ。しかし偽者らしきイケメンの場合「スマホのカメラが壊れて撮れない」などと適当な言い訳をしてごまかそうとする。同一人物のブログからさらに拝借してくることもあるので私は必ず「ウインクしてみて♪」などとポーズも限定して、慎重にチェックするようにしている。
また、気をつけなくてはならないのは、偽イケメンが「エッチな画像を送ってよ」とリクエストしてくるときである。すっかり恋愛モードになり、言われるがままに下着などの画像を送ってしまう人がいる。まだ会ったこともない人に、そこまでする必要はあるだろうか。万が一相手と仲がこじれたら、その恥ずかしい画像を腹いせに流出させられる可能性もあるし、実際、画像を流出されたくなかったら金を出すようにと、脅迫された女性もいるというから気をつけるにこしたことはないのだ。
イケメンは出会い系にいるわけがない、という人がいる。確かに一理ある。黙っていても普段から女性が寄ってきて気軽に連絡先を教えてくれるのだから、わざわざネットで探すこともないだろう、と。しかし実は実際にイケメンが登録していることはある。
私の知り合いの25歳のアイドル顏の男性もそのひとりだ。彼は特に年上の女性を狙ってメールを交換していた。熟女が趣味というわけではない、年上の女性のほうが金を持っている、それだけが理由である。彼は複数の女性と交際し、スマホが止まるだのガソリン代などと言って少しずつお金を得ていた。女性からすれば可愛い年下の彼氏にちょっとお小遣いをあげた程度の感覚だろうけれど、複数からもらっている彼にとっては立派な生活費稼ぎだったのだ。
それに、まれではあるけれど、イケメンも出会い系に登録してることはある。職場など周囲の環境に女性がいない場合だ。私が知る限り、トラックの運転手、理系の研究者など、男性しかいないような仕事をしている人は出会い系を利用することもある。写真サギでもお小遣い目当てでもないイケメンもいるので、見分ける眼をしっかり養っておきたい。
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作家/脚本家/イケメン評論家。山梨県出身。
『イケメンと恋ができる38のルール』(ベストセラーズ)、『年下オトコ×年上オンナ』(ゴマブックス)など著書80冊以上。
ラジオドラマ脚本『婚活バスは、ふるさとへ』(YBS)で文化庁芸術祭優秀賞&日本民間放送連盟賞優秀賞。
舞台脚本『男おいらん』はマンガ化や小説化も。イケメン電子写真集『Japanese Hot Guys』ではカメラも。
「内藤みかのイケメンブログ」
http://ameblo.jp/micanaitoh/