ソーシャルセクターで輝く女性たち
2019年11月16日、東京・飯田橋で、様々な社会課題解決で社会に貢献する団体・企業が一同に会するソーシャル・ワークスタイル フォーラム2019 by dodaが行われ、社会課題解決に関心を持つ多くのビジネスパーソンが訪れました。会場では各社の事業紹介のブース展示や、社会課題解決に取り組む団体・企業の講演などが開催。
出展企業の中でも老舗のNPOの1つ、認定NPO法人「フローレンス」の迎える育む部 清野友花さんに、この世界に飛び込んだきっかけや活動内容を伺いました。
認定NPO法人フローレンスとは
「みんなで子どもたちを抱きしめ、子育てとともに何でも挑戦でき、いろんな家族の笑顔があふれる社会」の実現を目指す社会問題解決集団。
2004年、日本初の「訪問型・共済型病児保育事業」で団体を設立して以来、子育てと仕事の両立、そして未来を担う子どもを社会で育むために、親子に関わる社会課題を数々の事業と政策提言によって解決しています。
団体創立15周年を迎え、従業員数は600名以上。組織力をもって、ただのボランティアとしての社会貢献ではなく、「事業」としての社会貢献を推進してきたフロンティア団体の1つです。従業員の9割が子育て世代であり、男性の育休取得率が100%など、社会に提供する「働きやすい環境」が、自団体の中でも実現しているのもまた説得力がありますね。
フローレンス 迎える育む部(人事担当) 清野友花さん
2019年2月 フローレンス参画。
大学卒業後、大手自動車メーカー系商社の人事部を経てフローレンスへ。採用担当として多くのメンバーの面談・指導・メンタリング等を行う。大学時代は世界を放浪するなど、アクティブでパワフルな女性。
■もともと社会課題解決には関心があったのですか?
「はい!
小学校2,3年生の頃、乙武洋匡さんの講演会で乙武さんのお話を聞いたんです。
ハンディキャップがある方に対して、周囲はそれを気遣うような傾向があると思うのですが、彼はぜんぜん『かわいそう』な感じじゃなかったんですよね。
自分の人生を楽しんでいる感が当時からありました。それを見て、衝撃で。
ハンディキャップがある人を『かわいそう』って思うのは、違うんだ、って。自分のせいではなくそうなってしまっているその状況を、『かわいそう』といって助けるのは、ちょっと違うな、と。
ハンディキャップがあることが悪いのではなくて、そのことがハンディキャップになってしまう。社会の仕組みやルール、人々の価値観や固定概念の方に問題がある。そういう「アンフェアなこと」を少しでも解消できるような仕事がしたい、それをライフワークにしていきたいと思った。それがいまの仕事にもつながっていると思います。
『いつか“アンフェアなことを無くす”、そんな仕事に就きたい』という想いをずっと持っていました。」
そんな清野さんは、大学卒業後の就職先では大手自動車メーカー系商社に。
それはどうして?
「大学時代から社会政策に関心を持っていて、福祉施設のインターンシップに参加したんです。
そこで感じたことが、『福祉施設というのは、その施設の中で様々なことが完結してしまっている印象があり、あまり外界との接点を感じることが難しかった。自身のファーストキャリアとして福祉施設を選んでしまうと、視野がとても狭くなってしまうのではないか…』ということでした。
学生時代はその後、海外をいろいろ見てまわったりもして、その中で、日本を代表する“自動車産業”が世界各地で様々な雇用や社会を生みだしているという構図を目の当たりにする機会があって。自動車を生産することで1つの町が豊かになるという現象に、『組織は大きいので、どうしてもエンドユーザーは遠くなってしまうけれども、間接的にでも、車を持つ・使うことで人々の「豊かな生活」に貢献できる』のであれば、それはやり甲斐に感じられそうだと思ったんです。
ダイナミックな産業にまず入ってみることで、自身の視野も拡がるのでは、とも思いました。」
もともとは大手企業に勤めていた清野さんが、NPOに飛び込んだきっかけは?前職では転職を止められのでは?
「誰もが名前を知っているような大企業からNPOに転職なんて、“意味がわからない”なんて言われましたよ(笑)変わり者扱いだったかもしれないですね。」
開設当初から、ボランティアではなく事業として保育事業等を立ち上げ、数あるNPOの中でもその名を知っている人も多いフローレンス。
大手企業で人事業務などを一通り担当した頃、「やっぱり、社会に貢献できる事業に関わりたい」という熱意が改めてふつふつと湧き上がってきた。ちょうどそのタイミングで、自身の人事キャリアをドンピシャで活かせる場として選んだのが、フローレンスでした。
「学生時代からフローレンスのことは知っていて、代表の駒崎の発言や取組内容を見て、『イケイケなNPOがあるな』と思って(笑)注目はしていたので、ぜひ、チャレンジしたいと思いました。自身の築いてきた人事のキャリアが活かせるのもご縁でした」
フローレンスに参画してみて、どんなやり甲斐を感じますか?
「
フローレンスは『かわいそうだから守ろう』ということを訴求していません。
きちんと社会課題を、ただのボランティア精神でなく、“事業”として解決しているところ、組織として合理的に取り組んでいるところに惹かれましたし、思った通りに、事業として、力強く社会課題の解決を推進しています。こういうNPOが増えていかなくてはいけないと思っています。」
自身のソーシャルワークへの想いと同じポリシーである事業体だからこそ、自身のなすべきことに迷いなく邁進できている…そんな充実感が漲っているという印象を受けました。
いつかは社会課題解決にチャレンジしたい…そう思っている方は、ぜひ、自分が社会に抱く想いを体現しているソーシャルセクターへの参画に、チャレンジしてみては?
※本記事では、社会課題の解決を目的としたNPO・NGO・ソーシャルベンチャーを総称を「ソーシャルセクター」と定義しています。
清野さんが活躍する認定NPO法人フローレンスでは、人事、システム、法人営業、マーケティングといった多くのジャンルで人材を求めています。
認定NPO法人フローレンス
https://florence.or.jp/
そのほかのソーシャルセクター、ソーシャル・ワークスタイル フォーラム2019 by dodaの詳細はこちら
https://doda.jp/event/socialworkstyleforum2019nov.html
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