ゴシップガールの世界観に憧れて… おしゃれ女子向けレンタルアパレル
元マイナビウーマン編集 女子会プロデューサーの新ビジネス
3年ほど前、偶然知り合ったアパレルメーカー社長と「自分たちが納得して使える通勤バッグになかなか巡り会えない」と話したことをきっかけに、働く女子向けの通勤バッグの企画「GIRLS BAG PROJECT」の話しが持ち上がり、木原さんほか女子会のメンバーで製品企画を手掛けることになった。
通勤バッグには、華美でなく、バッグの中が整頓でき、A4サイズのファイルが入り、床に置いたときに型崩れしない…など、様々な条件を求めたくなるもの。しかしなかなかその条件の揃ったものには巡り会えないもの。さらに見た目も可愛いものを求めると、確かに早々見つからない。
その思いを社長に語ったところ、OL自らの視点での製品企画に商機を感じた社長から、プロジェクトの委託がきた。
木原さんたちのプロジェクトから生まれた通勤バッグ。
木原さんが統括プロデューサーとなり、数人の女性メンバーたちとチームを組み、手探り状態からバッグのOEM企画を手がけた。全員アパレル企画経験ゼロ。「プロデューサーでありながら、実現するのか一番不安だったのは、実は私でした(笑)」
いざ試作品が出来上がっても、アパレル素人の彼女たちには「なんか可愛くない。けど、何が可愛くないのかわからない・・・」
そんなところからサンプル試作を繰り返し、「働く女子みんなで作る GIRLS BAG」が発表された。
カラーバリエーションも豊富。
いざ発売に漕ぎ着けると、女の子達のクチコミにより評判が広がり、売れ行きは好調。
また、通販でのみの展開ではあったが、実物を手に取ってくれたユーザーのリアクションや、一度購入した女性の多くがリピート購入する状況をみて、「実際に商品を見てもらいさえすれば、もっと売れる」と直感した木原さん。期間限定で東京と名古屋にて、実物の展示・即売会の機会も設けた。予想は的中。期間限定の展示会で実物に触れた女性の購入率の高さに、今回の新ビジネス“リシェ”のヒントも得たという。
「アパレル販売の中でもまだまだ販売経路の9割は店舗。消費者調査でも5000円以上のものは『ネットでは怖くて買えない』と言う意見が多数ながら、一度トライすればリピートだってしてくれる。この“垣根を壊す”行為が意外にとっても重要だと感じています」
本当にOLが欲しいバッグをOL視点で分析・企画したゆえに商品力あるものに仕上がったというのが大きな成果だが、女子コミュニティで商品企画をするメリットは更なる副産物も産んだ。
実際に企画に携わった女の子、またその友人へとクチコミが拡がり、各各がSNSやBLOGで拡散する。直接的な販売促進になったのはもちろん、彼女たちのページから販売サイトへのリンクが貼られることで、SEO(検索キーワード)対策にもなった。(※多くの外部のサイトからリンクを貼られていることがSEO上位獲得の条件の1つ)「働く女子 バッグ」などといったキーワードでも上位表示され、新規顧客獲得にもワークした。
同プロジェクトのPCケースも企画され、完売カラーも出るほどの人気。
コンシューマー当事者に企画を託したことでマーケティング費用の節約にもなるという、至って合理的なプロジェクトであった。
その後も、コスメ関連サイトからの依頼で女の子達へのプロモーションを実施、売上前年比10%アップという実績を出すなど、女子会コミュニティを活用したマーケティングプランは評判を呼ぶ。現在も営業をしなくても販促系のプロジェクトの相談が来ているという。
その後、この女子マーケティング業などを独立してやったほうがいいとすすめられ、独立。
そして今回、この女子マーケットを活かした新事業「リシェ」を企画することに。