高学歴“育休世代”女子が切り拓く!?女性活用の促進
HER LOVE,HER LIFE Vol.2
ポキッと折れて辞めちゃうのは、
実は男まさりなマッチョ女子が多い
男性と対等に、女性として性的客体視されることをむしろ避けに避けてきた女性ほど、当然ながら働き方がマッチョ志向(就職活動で「女性の働きやすさ」など勘案せずに男まさりで仕事を選び、夫の仕事優先にも理解を示してしまう)。マッチョ志向な女性ほど、優等生度が高いので、育児もカンペキにこなさねばというプレッシャーが高く、夫にもまた、出世ルートから外れて育児負担をすることなどを望まない傾向がある。
もちろん本人の問題だけでなく、職場要因も大きい。
出産後復帰し、モチベーション維持が難しくなるパターンは2つ。
育児を抱えたママたちに無配慮すぎて、到底育児と両立できない量を依然任される場合と、逆に「ママだから大変でしょ」とあまり遣り甲斐のない仕事を担当させられたりという「過剰な配慮」をされる場合。
復帰後の母親に対しては、その女性が育休前に手掛けていた仕事と「質は変えず量を変える」努力がなされるとベストですよね。
ガツガツ量をこなさねばならない仕事も存在すると思うので一概には言えませんが、この「過剰な配慮」で逆に“自分が不要に思えて”去っていくマッチョ女子は多い。
確かに、マッチョ女子は、一過性の育児期を過ぎれば大きな戦力になる可能性を充分に持っている人材なので、ここで退職させてしまうのは本当にもったいない。
みんながみんな、「育児と両立できる仕事でユル~くやりたい」、「マミートラック(=育児休暇復帰後、女性が育児をしながらでもできるサポート業務に特化)大歓迎」ではないですよね。そのへんの苦しみは、確かに高学歴・ハイキャリアの女性ならではですよね。でもそういう女性達の生産性って実は日本のGDPへの寄与度的にも1,2を争う戦力になりそうなので、ポキっとならないような社会に、企業に、していってあげたいものです。
「男女の差」ではなく
「ケア責任を負っているかどうかの差」
解決策として中野さんが提唱する1つが、企業論理を内面化した「男なみ」の女性を登用するのではなく、育児や介護など「ケア責任」を負う男女を登用する目標を立てること。実際にどのように評価して登用するかは難しそうではありますが、人間として暮らしを発展させたり知恵を発揮する経験をした人が意思決定の場に増えることは組織の活性化につながりそうです。。
育児をしたからこそ、介護をしたからこそ見える顧客ニーズもありますし、実際に組織を運営する上でリーダーが持つべき能力に「ママ的」要素、「パパ的」要素、「介護のお世話ができる忍耐力」とかも、ありますよね。
その仕事一辺倒なオトナより、家庭生活や子孫を残すことなどにどっぷり思考を巡らせた人間のほうが、確かに、人間力がパワーアップするというのは当然と言えば当然とも思えます。
中野円佳さん(29歳) プロフィール
2007年東京大学教育学部卒業後、新聞社に入社。産休中、2012年4月より立命館大学大学院先端総合学術研究科で2年間学ぶ。そこでの研究をもとに、様々な実際の「働くママ」の取材から得た分析をまとめた「『育休時代』のジレンマ-女性活用はなぜ失敗するのか-」を出版。アマゾンでも売切れ状態が続く程の支持を得ている。
<書籍紹介>
上野千鶴子さん推薦! 人事部必読! !
・自己実現×「産め働け育てろ」プレッシャー
・就活時の「マッチョ志向」が退職につながる
・産んで初めて分かる「男女平等の幻想」……etc.
復帰後社員が「ぶら下がり」に見えるには、深い理由が…
実在のキャリア女性への聞き込みをもとに著者が女性活用が進まない要因や
会社では表面化しにくい女性の実情を検証。大人気発売中。
働く母が育児休暇後どう社会復帰し活躍するかなどを女性や有識者で考える、文京区で活動する、自らも東京大学卒のキャリアウーマンである池永富美子さん主催のワークショップチーム。
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