高学歴“育休世代”女子が切り拓く!?女性活用の促進
HER LOVE,HER LIFE Vol.2
貴女は女を武器にするタイプ?
貴女のジェンダー意識経験をチェック!
ちょっと下のフローチャートをやってみてください。
貴女のジェンダー意識は成長過程の中で、どのような方向性に醸成されている?
これは中野さんの著書の分析を使ったチャートです。
アラフォー編集長自身は”抵抗のち受容”でした。
たしかに、大学を卒業する就活で“男女雇用機会がまったく均等でない”衝撃に直面、怒涛の“買い手市場”婚活の波に飲まれる中でROCKなフェミニズムがいつの間にか丸くなっちゃったという過程をはっきりと自覚しております…。
大手証券会社勤務の参加者女性のエピソードも印象的。
「社員旅行で水着を着て森高千里の「17才」とか平気で歌わされてましたね。もうオジサンコミュニティなのが当たり前なので、それに合わせるしかない、みたいな(笑)最初に妊娠したときには社長に『お前もスキモノだな~』とか言われて、笑って流してましたけどね。今なら完全にセクハラですよね。そういうので慣らされたのは確か。でも今、自分をはじめとするママ社員の主張の成果があって、毎月保育料の支給が出るレベルまで制度整備してきました」
エライ!素晴らしいしなやかさですね!
中野さんの著書の中でも、15人の女性たちの親子関係、そして各各どのようなジェンダー意識を刷り込まれてきたかと、それぞれの生き様の相関関係を検証しているのが興味深いです。
男性と同等にキャリアを目指してしまう女性は、「女の子だからそんなに頑張らなくていい」、ではなく、「サポート的役割が多いとされる女性的な職業より、男性と同等な職業について欲しい(=社長夫人よりも社長に!)」という親の期待に心のどこかで過度に応えようとしてしまう、自身を女性という「性的な客体」と認めきれず、男性と同等であると示すために全力を尽くす、など、学生時代から知らずに刷り込まれてしまった固定概念が大きく影響している模様。
高学歴の女性達は、ニワトリタマゴ的に、親の期待が高かったから優等生になり、結果を出せば今度は「ヤバイ、うちの娘イケる!」と思われ、ますます親の期待が高まるのも当然のこと。
“育休世代”の女性たちは、ロスジェネ世代に比べより母親が兼業主婦だったりバリキャリだったりした確率が高いと推定されます。とはいえスジェネ世代も子ども時代はまだ漠然と“21世紀”という希望の時代に向かって「末は博士か大臣か」で育てられており、しかもまだバブルの残像の中に大人の社会を見ていたので、親の育て方に起因するジェンダー意識の傾向には大きな差はないかもしれませんね。
中野さんの著書によると、育休世代の高学歴女子の母親たちの生き様もいろいろで、
「専業主婦である母親から聞く社会観に信頼がおけない気がして自分は社会進出したくなった」、とか、
「小さい頃、母親が家にいてくれたことが自分にとってもプラスだったので自分もそうしてあげたい(けどできなくてジレンマ)」、
「父母が同じくらい働いているのが当然だったので今の自分の働き方にも疑問がない」など、
ロスジェネ・育休世代とも、母親の背中、という意味ではそんなに環境が激変していません。
しかし、ロスジェネ世代と育休世代で、顕著に違う!のが、結婚・出産に対するスタンス、というか、それを実行せねば!と思うタイミング。
ロスジェネ世代のキャリア女性では、30歳の声を聞くあたりで初めて結婚・出産を意識、慌てて婚活に翻弄される、という女性が多いのに対し、“育休世代”は「学生時代からのカレシと卒業後にサッと結婚してサッと出産」のような方が多い印象。
確かに、大企業を中心に、育休取得が推奨されて制度も整ってきている、という側面もありますが、ワークショップ参加者の女性たちも、明確にこの「結婚・出産への意識」の世代差は自覚していました。
「 “育休世代”は先輩女性達から不妊への不安、出産を急がなかったことへの後悔の念を聞かされ、『とにかく子どもは早く産んでしまったほうがよいらしい』との意識が強くなったかも」(ワークショップ参加の総合商社女性)
この傾向は少子化を食い止めるためには非常にいいことですよね。
NHKの卵子の老化の特集などもかなり物議を醸しましたしね。
「キャリアパスなどを、実はきっちり考えるべき?」と脳裏を過ぎりながらも、いま付き合ってる彼はいい奴だし、その後それ以上の男性が出てくるかなんてわからないし…。そう考えて、社会人になり2,3年で妊娠、してから結婚、という女性が多いという育休世代。
さらに、結婚してからも「不妊になるかもしれないし、タイミングを計っていたら産めなくなるかも」と特に計画をせずに妊娠するのを中野さんは
「戦略的無計画妊娠」と呼びます。
ロスジェネ世代から見ると、これは画期的!!すばらしい!
ロスジェネ世代は、正直、「出産でキャリアが途切れて第一線から退かなくちゃならなくなるのかー…。だったら、もうちょっと仕事ができるようになってから産もうかな」なんて思う女性が多かった気がします。
「20代から30歳過ぎにかけては、漠然と『生んだ時点でキャリアが途切れる。確固たるキャリアパスが見えてからじゃないと産みたくない』とは思っていた」(30代後半・ワークショップ参加の育休中総合職女性)
家族計画的なブームといえば、ほんの数年前までもてはやされていた「DINKS(ダブル・インカム・ノー・キッズ)」など、もはや懐かしい響き。
30代以下だとこの用語を知らない人も多いです。
「私が入社した頃の先輩はDINKS推奨派で、『夫婦二人でやりたいことができて、子どもいないのも結構いいわよ』という人も多かった。でも、いま、その先輩たちも、やっぱり子どもがいたほうがいいかも、と焦っていたりする」(20代 ワークショップ参加 総合商社女性)
近年「高齢出産」が話題になり、いかに高齢出産を成し遂げるかが課題になってきたのは彼女たちにとって最近のこと。
アラサーとアラフォー世代の間に明らかな出産への意識の違いが見て取れる。
…だからって、別に仕事がデキるようになったり、落ち着いたりって、明確にいつだったんだ!?とか思いながら婚期すら逃したっていう女性も少なくはないので…。
まだ、体力の残っている年代で妊娠、結婚してしまって、その後のキャリアパスをなんとかする、というのは、圧倒的に傷が浅いと思いました。
ビバ!!戦略的無計画妊娠。
若くして妊娠、出産をしたキャリア女性たちが職場の最適化を目指した主張や提案がしやすいように、先輩女性管理職も既婚未婚、子どもありなし関わらず、共に闘っていきたいものですね。