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    「風邪」って何?ウィルス感染と細菌感染の違いを知って正しい対処を

    秋から冬にかけてはウィルス感染対策が大切です! 季節の変わり目で体調不順を起こしている方も多いですよね。働くママさんにとって子供の発熱は一大事!風邪の流行る季節は保育園からの着信にびくびくしてしまいます。さて、いわゆる風邪というやつのほとんどはウィルス感染症であることがわかってきています。また、同じような症状(発熱・腹痛・咳)でも細菌感染が原因のものと、ウィルス感染が原因のものでは全くお薬が違います。
    今回は、ウィルス感染と細菌感染の違いに関する基礎知識と、この時期に気を付けるウィルス感染症についてご説明していきます。

    ウィルスと細菌の違い


    出典:写真AC

    風邪とひとくくりにされていた症状に様々な原因があることがわかってきています。多くの風邪の原因はウィルスに感染することによっておきますが、まれに細菌感染によって発熱をおこす場合もあります。細菌とウィルスは全く違うものですので、症状が似ていてもお薬が違ってくるのです。

    細菌

    細菌は「微生物」です。細胞の中にDNAとRNAを持っていて人に感染すると人の体を養分にして増殖します。生物なので生きています。

    ウィルス

    自分の細胞を持っておらずむき出しのDNA(種類によってはRNA)がたんぱく質と一緒に殻の中に入っている状態です。生き物ではない物体なのですが、人の体に入るとウィルスが持っている遺伝子を人の細胞の中に入れて増殖させます。

    どちらの感染にしても発熱を起こすのは、体内に異物が入ったことで白血球などがウイルスや細菌をやっつけようと頑張っている証拠なのです。

    ウィルス感染と細菌感染お薬が違う

    細菌は生き物なので細菌をやっつける薬が使われます。「抗生物質」が使われます。抗生物質をお医者さんに出されたら、体内の細菌を完全にやっつけるため必ず飲み切ってください。「耐性細菌」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?これは、抗生物質が効かなくなった細菌のことで、お薬を飲み切らず生き延びた細菌が変異を起こし、より強い病原菌になってしまうのです。

    一方、ウィルス感染の治療は以前は対処療法(解熱剤など)で回復を待っていましたが、「抗ウィルス剤」も一般的に投薬されるようになりました。インフルエンザの時に出される、リレンザやイナビル、タミフルなどは使ったことがある方も多いのではないでしょうか?この抗ウィルス剤も用法を守らないと、ぶり返す原因になるので複数回に分けて使用するものは、きちんと飲み切るようにします。(イナビルなどは1回でいいので楽ですが、小さなお子さんはちゃんと吸引ができているかどうかで効果が変わるようです。)

    秋から冬にかけて気を付けるべきウィルス感染


    出典:写真AC

    これから乾燥する季節になると、ウィルス感染症が増えます。主なウィルス感染症をご紹介します。

    インフルエンザウィルス

    今年はすでに集団感染が発生したという報道もありました。毎年、国内で1000万人が感染、そのうち1万人の方が死亡する恐ろしい病気です。インフルエンザは変異しやすい物質で毎年流行が起こるのは、ちょっとずつその形が変わるために、体の抗原抗体反応が「新しいウィルス」と認識するためです。さらに時々、突然変異で大きくウィルスの形が変わることがあります。「新型インフルエンザ」として世界中で大流行が起きてしまうのです。
    ウィルスに感染すると、潜伏期間2日を置いて、38℃以上の発熱、頭痛、関節痛、筋肉痛などの全身症状が突然現れます。体力のないお子さんなどは急性脳症など重症化する恐れがあります。予防接種が有効ですが、感染してしまったら、抗ウィルス剤を投与されるのが一般的です。薬が効けば短期間で解熱しますが、その後も他人に感染させる可能性が高いため、解熱後2日は外出を控えます。

    ノロ・ロタウィルス

    おなかの調子が悪くなるウィルスです。おう吐や下痢とともに発熱を伴う場合もあります。現状ではワクチンはありません。脱水を起こさないように輸液など対処療法で回復を待ちます。また、ノロウィルスは感染力も高く、家庭内やトイレで家族に感染する可能性が高い病気です。タオルを使い分けたり、おう吐した場所を塩素系漂白剤を50倍に薄めた消毒液でふき取るなどで感染予防します。(ノロウィルスにはアルコール消毒では効果がありません。)
    ロタウィルスもおう吐、下痢が主な症状です。便が白っぽくなるなるのも特徴の一つです。生後6週間からワクチン接種が可能です。ワクチンで完全に予防できるわけではありませんが、重症化を防ぐには有効です。保育園に入園予定の方はかかりつけの病院の先生に相談するのも一つの手段です。

    RSウィルス

    生後1年までに約半数が、2歳までに100%が感染するウィルスです。一度感染しても免疫が完全にできないため何度も繰り返し感染するのも特徴の一つです。
    感染後4-6日を経て、鼻水、発熱、せき、の症状が出ます。重症化するとぜんそくのような「喘鳴」が起き、気管支炎から肺炎など命にかかわる事態になることもあります。生後半年までは経過をきちんと見るよう注意が必要です。
    ただ、感染回数が増えるにつれ徐々に免疫が十分についてくるため年齢が上がるにつれ、重症化はしにくくなります。

    子宮頸がんもウィルス感染

    さて、子宮頸がんの原因が「ヒトパピローマウイルス」に感染して起こることをご存知ですか?このウィルスもワクチンが開発されています。世界53か国で公費助成制度でワクチン接種されています。しかし、現在副作用が問題化されており日本では接種は推奨されていません。これに対してWHOは日本政府に対し早急に対処するよう声明を出しています。ヒトパピローマウィルスは主に性感染、一度感染するとワクチンは効かないため接種時季がは中・高生ぐらいの若い世代が対象となるのです。

    予防にはうがい手洗い!

    ウィルス感染を完全に防ぐのはとても難しいですよね。ありきたりですが、うがいと手洗いでウィルスや細菌が体内に侵入するのを防ぐことができます。また、十分な睡眠で体力をつけておくことで、もしこれらが体内に入ったときにも免疫が働き、ごく軽衣装上で回復することができます。
    日常の習慣で、できるだけ健康に過ごすようにしたいですね!


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