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    LIFESTYLE

    妊娠適齢期を学ぶ中高生向け授業

    高校で行われた妊娠適齢期の授業。 女性は年齢とともに妊娠しにくくなる。女性の不妊が大きな問題となっている中で中高生向けに授業が行われています。

    「誰でも妊娠ができるとは限らない」

    不妊治療専門医や生殖心理カウンセラーが中高生に語る言葉です。
    加齢によって卵子が減少しそれが原因で妊娠がしにくくなることを説明してくれます。

    講座では生まれる前からの女性が持っている卵子の数と年齢との関係を表すグラフも使われます。
    参考資料 出典:一般社団法人 日本生殖医学会(実際に授業に使われているグラフとは違います)

    卵子の数のピークはまだお腹にいる胎児のとき、700万個です。生まれたときにはすでにその1/3以下の200万個程度になります。 そして35歳を過ぎると急激に妊娠率が下がります。
    また、若いときの無理なダイエットが原因で妊娠しにくくなるということも丁寧に説明されます。

    生徒たちにはパンフレットやわかりやすいマンガ冊子も配布されます。
    だからこそ、自分の体を大切にして納得のいくライフプランを組んでいく必要があるというのが授業で語られます。
    出典:写真AC


    今までの保健体育の授業からの方向転換?
    かなり前女子高生だったワタシが受けた授業ではSEXによる性感染症や若年女性の妊娠リスクが取り上げられていた。(古い記憶だからちょっと正確な授業内容は覚えていないけど)
    だから、男女交際は健全に(何が健全かはしらんが)!SEXはちゃんと責任がとれる(産んだBABYをちゃんと育てられる)年齢になってから!という教育だったんですよね。

    真逆、までとは言わないけど何かしら違和感を感じるのだ。

    子供というのは純粋で時に都合がいい
    例えば、こういう授業を受けている女子高生の中には彼氏もいる子もいるよね。
    で、若いからさ!一生いっしょ?大好き!ってなっちゃう。そりゃ好きな人の子どもも欲しい。時に若年の妊娠を啓蒙するような情報が入ると妙に正当化されたと思う子がいてもおかしくない。
    出典:pixabay

    若年での妊娠が悪いわけでもないし、彼氏(夫)や周りの両親の協力を得られればうまく出産、育児につながるかも知れない。
    生まれたベビーの祖父母がまだ元気な世代であれば、パートナーの男性の多大なる理解と協力があればママをやりながら学業の継続、就職、仕事もうまくいく可能性もあるが…
    実際の状況(若年女性の貧困率の高さ)を見るとそんなに楽観視できないよね。

    授業の最期では「ライフプラン」を考えてとあるようだが
    さて、過ぎ去った自分の人生を考えて、この授業の通り「ライフプラン」と「妊娠適齢期」を照らし合わせて理性的に考えると大学を卒業してキャリア積み上げながら(生活の基盤に必要)、上手にそこそこの収入のあるオトコ(生活の基盤とベビーの父親として必要)をつかまえて結婚、妊娠、出産ってのはいったいどのくらいの女性が実現できるだろう?
    なんか、自分ならそんなに何もかもを上手にやっていくのはちょっと無理な気がする。

    自分の思い描く人生をその通りに生きていける人も少ないのだろうけど、なんだか少子高齢化対策を!というこのタイミングで始まった授業は大昔の「産めよ増やせよ」と同じような響きに思えたり、あるいは「不妊の危険性は教えたのだから後は自己責任だよ!」という言い訳に聞こえたり。どちらにしてもツラい。


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