• 「WOMEN’S SHOWCASE」のTOPページへ
    LIFESTYLE

    ちょっと変わったお花見はいかが?桜を題材にした名画巡りなら雨の日でも楽しめる

    桜の名画環礁でお花見をしてみよう。所蔵館も紹介 お花見の季節です。桜の花の下で仲間たちとわいわい楽しむのもいいけど、桜の頃の花冷えや雨が降るとせっかくのイベントもキャンセルになります。そんな時は桜の名画を楽しむのはいかがですか?今回は、さくらを題材にした名画・浮世絵をご紹介します。
    (注)所蔵感を記載しておりますが、展示が行われているかどうかはそれぞれの施設にご確認ください。

    菱田春草「桜下美人図」(山種美術館所蔵)     「夜桜」(飯田市美術館所蔵)
    菱田春草は明治時代の日本画の大家です。東京美術学校で絵画の諸技法を学び、明治31年には岡倉天心の指導下で創立された日本美術院に参加しました。岡倉天心の同門には横山大観などもいますが、春草の描く稜線を描かない技法「朦朧体(もうろうたい)」は当時はあまり受け入れられませんでした。
    菱田春草は黒猫を描いた絵が有名ですが桜を題材にした絵も複数残しています。
    「桜花美人図」は山種美術館所蔵、「夜桜」は飯田市有形文化財として飯田市美術館にそれぞれ所蔵されています。
    「桜花美人図」は3名の女性と桜が琳派の流れを汲んだ本格的な日本画として描かれた作品、「夜桜」は朦朧体の技法で描かれています。


    横山大観「夜桜」(大倉集古館所蔵)
    この作品は、横山大観が1930年にローマで開かれた日本美術展覧会のために六曲一双の屏風に山桜を描いたものです。制作期間は約5ヵ月を必要としたといいます。
    向かって左、左隻には満開の桜と燃えるたいまつが、右隻には散る花びらも描かれ、もの悲しさと桜の迫力に圧倒されます。

    大倉集古館は改修工事のため2015年から2019年まで休館しています。

    この他にもたいまつと桜だけが描かれた横山大観の掛軸「夜桜」は東京富士美術館に所蔵されています。


    長谷川久蔵「桜図」(智積院)
    安土桃山時代に活動した絵師で26歳で早世したため、現存の作品はほとんどありません。桜図は1952年ごろの作品とされ、現在京都智積院の障壁画として所蔵されている国宝です。金箔を貼った紙本を背景に大胆に満開の桜が描かれています。


    木島桜谷(このしまおうこく)「柳桜図」(泉屋博古館所蔵)
    明治から昭和初期にかけて活動した日本画家です。「柳桜図」は大正6年に制作された六曲一双の屏風絵です。左隻には桜がメインで描かれ、右隻に新緑の柳の中に桜の花びらや枝が埋め尽くされています。日本画の装飾性と、西洋画の写実が混ざり合った作品で、桜の姿が美しく存在感を放っています。


    伊東深水「春の夕暮」(水田美術館所蔵)
    美人画で有名な伊東深水の桜と美人画一所に楽しめる絵画です。憂いのある表情の女性が、風にあおられた髪の毛をおさえています。舞い散る桜の花びらと、袖元、髪の毛を抑えるしぐさから躍動感が伝わってきます。
    また、余談ですが伊東深水さんは女優・朝丘雪路さんのお父さんですよ!


    酒井抱一「桜図屏風」(N.Yメトロポリタン美術館)
    酒井抱一は江戸辞退後期に活躍した琳派の絵師です。桜図は、上2/3を金箔、下1/3に銀箔を大胆に配して、金箔の部分に一本の桜が浮かび上がるように描かれています。ニューヨークのメアリーバークさんが所蔵するバークコレクションの一つでしたが、彼女の死後バークコレクションはメトロポリタン美術館へ寄贈されたため、現在はこちらの美術館に所蔵されています。


    絵画で「愛でる」お花見もいいね

    お花見は日本人独自の文化、コミュニケーションを深める絶好の機会です。でも時にはゆっくりとした時間の流れを感じながら、お花の美しさを堪能するのもいいものですよ!それぞれの美術館を出た後は、ゆっくり散歩をして本物の桜をぼんやりと眺めて堪能してみてください。画家がどんな気持ちで桜を眺めたのか、何を考えてそれぞれの絵を描いたのか、追体験できそうな気がします。


    この記事に関するキーワード